〜〜〜   発  心  山    〜〜〜 
≪ 令和3年4月22日 (木) ≫


 
≪ 4月22日(木) ≫
 
 
 コロナがなかなか治まらない中で、旅行は控えているが、登山だけは続けている。

 ホームページの内容が登山ばかりとなって、少々味気ないものになってきているが、これも時節柄と言うことで・・・。

 先週は事情で3月の登山が出来なかったための代替登山であったが、今回は月例の登山である。山メンバーはいつもながら我が家の夫婦山旅である。

 今回の山は県内の久留米市にある「発心山」にした。この山は山自体の魅力と言うよりも、「漱石が歩いた山道」というところに引かれての決定である。

 以前、熊本の友人と漱石の草枕に出てくる「峠の茶屋」を巡る山旅を楽しんだが、今回は「漱石の道」を楽しむ。

 「峠の茶屋」も漱石が友人を尋ねる時に立ち寄ったものであるが、この「漱石の道」も友人を尋て高良山から発心山を経て、発心公園までの14kmを歩いたものである。

  8時前に自宅発、都市高速から九州道を経由して久留米市にある発心公園に着いたのが9時45分、山支度を整えて出発する。

 駐車場の上に発心公園がある。公園に漱石の句碑があった。これを写真に収める。

 車道に発心山への案内があったが、別に自然歩道があるものと思ってキャンプ場に向かうも案内がない。また車道に戻り、ここを歩いて行くと、やがて左手に自然歩道への分かれ道の案内があった。
 せっかくの公園整備であるから、登山道を含めた周辺の地図も準備していて欲しいものである。

 間もなく、多数のお地蔵さんが祀られた場所に出た。50体以上はありそうである。前回の山旅も地蔵尊が祀られた叶神社であったが、何かとお地蔵さんに縁があ るようだ。お地蔵さんは庶民の願いを叶えてくれるという、これは何かいいことがあるのか・・・!

 しばらくは竹林を右手に見ながら登って行く。結構な勾配の道になってきた。急登を登り切って少し平坦になった先に3合目の表示があった。ここで小休止する。3合目の表示板には「まだ(3合目)」との的を得た落書きがあった。

 漱石はここを下ってきただけであるが、結構タフな山のようだ。

 やがてT字路に出て、右手は「グライダー山、横岩コース」との案内(字がかすれている)、左手は「蔵跡」となっている。

 左手の蔵跡へ向かう。間もなく蔵跡に着いた。平坦な広場になっているものの、それほど広くもない。更に登り続け、5合目の案内があった。やっと5合目かという感じである。ここまで1時間15分かかっていた。

 ここで小休止して出発、また急登を登り続けると、「発心山 尾根コース」との案内があった。ここから少し尾根道で傾斜も緩やかになるのかなと思ったが、相変わらずの急登続きである。

 7合目の案内を通過、苔むした岩があって、この後、少し緩やかになったが、再び急登が続く。まったくタフな山である。

 9合目に着くと、久留米弁での看板があった。「がまださんの」とは「頑張ると」との意味なのか?

 やがて植林体が途切れ、見晴らしがよくなってきた。振り返ると眼下に久留米市街地が広がっていた。

 平坦な尾根道を進み、小山を登り切った先にやっと山頂の表示があった。ちょうど12時で、ここまで2時間15分かかっていた。結構タフな山で苦労しながら登ってきた割には快調なペースであった。女房も頑張ったものである。

 ビニールシートを敷き、靴を脱いでくつろぐ。今日はこれまで誰とも会っていない。あまり人気がない山のようだ。おかげで山頂でもゆっくりとくつろぐことができ た。
 コーヒーを飲みながら、漱石に思いを馳せる。
 
 夏目漱石の本は学生時代に当時図書館にあった全巻を読破した。「吾輩は猫である」、「坊ちゃん」、「草枕」、「三四郎」、「それから」、「こころ」、「道草」、「明暗」である。友人たちに「これから漱石の本の題名を言うから、何冊あったか答えて!」と問題を出し、「それから」をわざと考えている風な発音でごまかして楽しんでいた のを懐かしく思い出す。

 少し、山頂周辺を散策してみる。周回コースの案内がない。また漱石の句碑の案内もない。

 スカイラインを少し下ったところにあるようだが、不案内は苦手なので、また来た道を戻ることにした。

 12時40分に下山開始、途中で1組のご夫婦に出会い、「この山で
最初の出会いです。」と挨拶しておいた。

 岩の上に枯葉が積もったところはよく滑るので、気を付けながら下っていく。それでも何度か滑りそうになった。

 7合目、5合目、3合目の案内を通過、

 途中、お地蔵さん達に無事の下山のお礼を言って、1時間半で下山、駐車場に戻ってきた。

 山支度を解いて、車に乗りこみ、「久留米道の駅」に向かう。

 女房は夕食の具材をチェック、小生はすぐ近くにあった「平田ナーセリー」へ。最近、このナーセリーは全面リニューアルしていて、特にサボテン多肉の種類が豊富に展示されているので、見ているだけで楽しめる。最近は鉢植えも整理の段階に入っているので、新たな購入は控えている ため、見るだけである。それにしても半端ない数の多肉植物が展示されていて、見事なものである。

 道の駅を出て、九州道から福岡都市高速を経由して無事自宅に戻ってきた。

 5月の山は未定であるが、6月は久しぶりに、ミヤマキリシマ開花時期の久住山にしようかと思惑中である。

 

 


登り  ; 2時間15分   下り : 1時間30分