【    平  治  岳   】   1,642m


〜平成29年6月8日〜

 マキシラリア・テヌイフォリア ・・・ マキシラリアは南アメリカを中心に広く分布する洋ランである。
 
マキシラリアには300種ほどあるが、全般的に花は小型のものが多く、他の洋ランのような華やかさはない。
 
よって、あまり栽培の対象にはされないが、それでも時々園芸店でみかけることがある。
 たまたま販売されていたこのテヌイフォリアは、ちょうど花の時期で、バニラやココナツのよう
ないい香りをただよわせていた。

 10年前にこれを購入、株分けして現在4鉢にもなっている。
 暑さ、寒さにも強く、育てやすい洋ランである。

 花の時期になると室内に取り込んでいるが、風が吹くといい香りを部屋中にただよわせてくれている。
 何ともかぐわしい花を咲かせる洋ランである。 

 花と言えば、久住山系のミヤマキリシマもそろそろ見ごろを迎える。法華院温泉のホームページに、5月30日時点で5分咲き、1週間後あたりが見ごろとあった。今年は虫(尺取虫)も少ないとの情報である。

 よって、1週間後辺りで検討すると、7日水曜日は雨、10日の日曜日から3日間は雨の予報となっていたので、6月8日の木曜日に平治岳に登ることにした。

 5時45分、自宅を出発、さわやかな早朝のドライブ旅である。

 都市高速、九州道を経由して長者原に着いたのが7時50分、ほぼ2時間のドライブである。
 長者原の道路の奥の駐車場は早くも満車状態であったので、手前の駐車場に車を止める。

 平治岳、平らに治める、何ともおだやかな山名である。
 坊ガツルから見た平治岳は、 登山意欲を誘う山姿をしている。双耳峰であり、南峰と本峰からなる。ミヤマキリシマの時期には全山がピンクに染まる。よって、当然ながらこの時期は最も登山者が多くなる。

 平治岳への登山道は主に3コースがある。
 一つ目は黒岳に登るときに利用する男池からのコースで、ソババッケから大戸越に向かうルートであるが、何となく裏口から登るような感じがする。
 二つ目は吉部登山口からのコースであるが、このルートは車も通れるようで、何となく魅力を感じない。
 三つ目は長者原から雨ケ池越で坊ガツルに出て、大戸越から平治岳に取りつくコースである。このルートは距離も長くなるが、表街道を歩く感じで変化に富んでいて楽しめる。

 よって、今回もこのコースにした。

 8時15分登山開始。タデ原湿原を通り、ここで登山届を記載して自然林の中を歩いていく。この坊ガツルまでのルートは九州自然歩道にも指定されている。
 ほぼ1時間で「土石流に注意!」との案内がある崩壊箇所を抜けていく。

 途中で若い女性二人連れに追い着いた。二人ともザックがかなりなボリュームであったので、「キャンプですか?」と聞くと「そうです! 私たちも平治に登るので後でまた会いましょう!」との答え。

 9時半に雨ケ池に着いた。雨の後に池となるところであるが水は少ない。整備された木道を歩いていく。
 しばらく歩くと、ベンチがあって展望がいい箇所があった。眼下には坊ガツルでのカラフルなテント群が見える。正面には大船山、左手にこれから登る平治岳が見える。山頂周辺はかなりなピンクの装いであるが、全山ピンクとまではいかなかった。

 10時40分にやっと坊ガツルに着いた。ここで少し長めの小休止をする。
 「四面山なる坊ガツル」とうたわれた坊ガツル賛歌を歌っていると、どうしても芹洋子さんが頭に浮かんでくる。

 11時に出発、大船山との分岐から左手に進む。「一人一石運動」があっていて、これから先の指定された湿地帯にその石を置いて欲しいとのことで、手ごろなサイズの石を手にもって歩いていき、指定された所で置いたが、まだまだかなりな石が必要なようだ。

 12時10分に大戸越しに着いた。女房がかなりお疲れモードだったので、これからは小生一人で登ることにした。
 ビニールシートを広げてここで昼食にする。ピンクに囲まれた中でリッチな食事タイムであるが、食事はおにぎり2個である。

 12時45分、女房をこのまま残して一人で出発、ザックもここにデポし、ペットボトルと念のために救急セットのみを持って登り始める。ザックがないと足も軽くなる。いつも本峰に登っているが、今回は女房を待たせているので、南峰のみとする。急登ではあるが、それだけに一気に高度をかせぐことができる。15分ほどで南峰山頂へ。山頂はまさに息が詰まるようなピックの花に覆われていた。

 本峰にも人が多く、皆花に酔いしれているようである。今年は確かに虫もいないようで、花が綺麗であった。

 写真を撮り終えて、下山道を降りていく。この花の時期のみではあるが人が多いために別途下山道が設けられている。
 トレイルランではないが、身軽なために小走りで降りていく。途中で20人強の方々に「お先に失礼!」と挨拶させていただいたが、10分で降りてきた。

 女房のところに戻り、山頂の状況の報告を終えて、コーヒータイムとする。

 13時35分出発、坊ガツルに降りる途中で、登るときに追い抜いてきた二人の若い女性にあった。キャンプ場に荷物を置いてきたようで、身軽な格好であったが、お二人もすぐ分かったようで、お互いに挨拶を交わし、「キャンプを楽しんで!」と言って別れる。

 坊ガツルに50分で降りてきた。疲れもないので、このまま坊ガツルを抜けていく。

 登り道にかかると途端に足が重くなる。ここから長者原まで、夫婦連れの方と、男性二人連れの方と、抜きつ抜かれつの下山となった。登山道には長者原と坊ガツルへの方向のみを示した案内板はあるが、これに距離の表示はない。

 時々は地図が別に表示してあって。これを見れば距離がわかるようになっている。お互いにこの距離を確認しながら、「まだ3キロもあるのか!」と落胆の声が多かった。それでも雨ケ池を過ぎると足も軽くなり、17時ちょうどに長者原に降りてきた。

 登山靴を脱いで身軽になり、残りのコーヒーを飲んで17時20分出発、朝走ってきた道を戻る。

 大分道に入って、山田SAで休もうかと話をしていたら、ナビが「後、1キロで山田SAです!」と案内してきた。それだけでなく、「もうすぐ左です。」と山田SAへ誘導する!

 別にセットしたわけでもないのに、何故このような案内をしたのだろうか?
 まるで、我々の車の中での会話をナビが聞いていて、セットしてくれたような案内である。
 それとも、この山田SAには小生がいつも立ち寄っているので、過去の記録をもとにセットしたのだろうか?
 謎ばかりの現象であった。

 特に渋滞に会うことも無く、19時半に無事帰宅した。

 ピンクに咲き乱れる花を満喫する山旅となった。

 さて、英国の選挙から、アメリカのFBIコミー前長官の議会証言等々、今夜はニュースから目が離せない。


 
※ 山田SAへの誘導について、トヨタのお客様相談センターに問い合わせたところ、装着ナビに「ルート学習機能」というのがあって、目的地案内中に3回以上ルートとは異なる道路を走行すると、そのルートを学習する機能があるとのこと。山田SAにはこれまで何度も立ち寄っていたが、今回初めてこの学習機能が働いて、音声案内したらしい。
 そういえば、これまでも我が家から都市高速に乗る場合、ナビとは異なる走りやすいルートを走っていると、いつの間にかこのルートを案内するように変わっていたので、納得の回答であった。
 ただ、SAへの案内は初めてのことだったので、少々驚かされたが、ナビの機能も進化しているものである。
 

 

 登り  : 4時間30分  下り : 3時間40分