【   蝶ヶ岳〜常念岳〜大天井岳〜燕岳 ・ 縦走 】  

〜 平成27年7月21日(火)〜25日(土) : 4泊5日 〜

〜平成27年7月21日(火)〜

 
時前に地下鉄にて福岡空港へ。
 これから北アルプスの表銀座縦走コース山旅にでかける。

 表銀座縦走コースとは北アルプス山麓の中房温泉を起点に、合戦尾根を登り、常念山脈を大天井岳まで縦走し、東鎌尾根の喜作新道を経て槍ヶ岳に登るコースの名称である。
 今回は、上高地から徳沢園を起点に、蝶ヶ岳から日本百名山である常念岳を経由して大天井岳に至り、ここから槍ヶ岳から反対に燕岳までを縦走する山旅である。

 クラブツーリズムの添乗員は平川氏、同行者は全部で19名、内女性8名、男性11名であるが、今回は夫婦連れがいない珍しいケースとなった。
 「今回は夫婦連れがいないらしい。」と小生が同行者に話すと「そんなもんでしょう!」とのこと。そんなものとはどんなものであろうか???
 
 同行者の中に、1昨年の奥穗高岳から昨年の北岳にも同行した小島氏と和間氏がおられた。また北岳に同行した山本氏もおられ、お互いに再会の挨拶を交わす。
  
 8時ちょうど発で福岡空港からANAにて中部国際空港へ。9時15分着、バスに乗換え9時40分発、11時前に長良川SA着、小休止、12時45分板倉ラーメン着小休止、13時55分 無事上高地バスターミナルに着いた。

 不要な荷物はバスで預かってもらえるので、靴を登山靴に履き替え、下山後の温泉セットと合わせて預かってもらうことにする。

 山ガイドの秋山氏と挨拶を交わし、軽くストレッチをして14時25分出発、明神にて小休止して徳沢園着16時10分、ここまで順調にきた。
 徳沢園は今回で4回目の宿泊となる。今日は100人以上の宿泊とのことであったが、一人1枚のふとんが確保できてよかった。
 早速、温泉で汗を流し、表に出て山本氏、小島氏、和間氏、添乗員の平川氏と生ビールで乾杯する。添乗トラブルの話で盛り上がったが、平川氏の名誉のために内容は伏せておこう。
 19時から夕食、今日もステーキが出て、山本氏が例によって皆に赤ワインをふるまわれた。相変わらず剛毅な方である。手持ちのカードはこれまで見たこともないブラックカード であった。

 20時に部屋に戻り、今日の記録をまとめて21時には休む。
 

〜平成27年7月22日(水)〜

 
5時半起床、いい天気であるが、今晩から雨の予報となっている。
 7
時に朝食を済ませ、表に集合し、軽くストレッチをして8時に出発、これから蝶ヶ岳山頂を目指す。
 小休止を繰り返しながら、かつ行動食をとりながら登っていくと、12時頃には早くも雨が降り出した。雨具を着こんでまた出発、12時40分に長塀山山頂(2,565m)に着いた。雨模様で視界が狭く、見晴らしも 全く効かない。
 そのまま先に進んで、13時30分に蝶ヶ岳山頂(2,677m)に着いた。ここでもせっかくの大展望を見ることができなかった。 天気がよければ深い谷を超えて対面に見事な穂高連峰が聳えているのが展望できるのだが残念である。

 ここまで全般的に一途な登りで、ゆるやかな尾根筋もあったが、まあまあタフな登山道であった。
 山頂から5分で蝶ヶ岳ヒュッテに着いた。濡れたものを乾燥室へ。2段ベッドの部屋であったが、ふとんには余裕があってよかった。
 荷物を整理し、更にこの旅の記録を整理して、例のメンバーにガイドの秋山氏、同行者の来嶋氏も参加され、またまた宴会を始める。
 今回最も若い山田さんも参加された。この山田さんは今年の山開きの日に久住山に登ったとのことで、小生も登った旨伝え、「どこかですれ違っていたかもしれないね。」と話が盛り上がった。

 
宿泊雑記帳を見ていると、ほぼ半数の割合で、「雨風の中の登山となった!」と記載されている。日本アルプスはその高度のせいで、平地とは違った天気となり、なかなか予報どおりにはいかないのが常である。
 今回出てくる前は、台風一過で、しばらくはいい天気が続きそうな予報であったが、残念ながら明日の周辺の平地も終日雨の予報となっている。

 高校生が団体で来ていたが、近くの大町高校とのこと。190名の団体で、明日は上高地に下るとのことであるが、せっか
く楽しみにしていた登山がこの天気で残念であったろう。これに懲りることなく、これからも山を楽しんで欲しいものである。   

 17時半から食事、席が混み合っていたので、アルコールは控える。
 食後は何もすることがない。山本氏がまた宴会の続きをやろうかと言いだしたが、明日の朝は4時起きと早いので、明日の山小屋で続きをやることとした。よって早々に休む。 



〜平成27年7月23日(木)〜

 
時に起きる。雨が間断なく降り続いている。
 5時15分から朝食、6時に小屋の表
に集合し、ストレッチをやって出発する。今日はこれから常念岳を目指す。
 雨の中を小休止を繰り返しながらアップダウンの山道を黙々と進んでいく。
 11時40分、常念岳山頂(2,855m)着、一応登頂の記念写真を撮る。
 写真を撮り終えてすぐに出発、13時ちょうどに常念小屋に着いた。
 終日雨の中の縦走となり、少々お疲れの方もおられたが、縦走中にあちこちで雷鳥に出会えた。小屋の近くでは子供の雷鳥が3匹、親鳥とたわむれていて、雷鳥に癒された山旅でもあった。
 
 濡れた荷物の整理を終えて、15時から食堂で宴会開始。
 同行者の女性が干していた雨具が無くなったとのことで、平川氏はこの対応に追われ忙しそうであった。
 山の話で盛り上がっているところに、夕食の準備があるので場所を空けて欲しいとのこと
で宴会を終える。

 17時から夕食となる。カップワインがあったので500円でこれを購入し、食堂に持ち込む。ハンバーグにワインがよくあった。最近、山旅でもワインを飲むことが多くなったようだ。

 食後はまた何もすることがない。よってここで山小屋の評価をしておこう。
 この山小屋は小さな部屋に4人で泊まることになったが、ふとんは6人分あった。6人のふとんを敷きつめると、通路も無くなるが、4人のために余裕があってよかった。部屋の中に は棚がない。よってザックは表に出すことになるが、できれば棚を設けてくれれば荷物の整理もしやすいのだが。
 部屋はまあまあであるが、トイレや洗面所は綺麗で使いやすかった。蝶ヶ岳ヒュッテはトイレが部屋に近く、匂いが立ち込め、しかも同じ場所に男女兼用、男用、女用と3つあるだけで女性は大変である。これに比べると、この常念小屋は最高であった。また昨日は飲料水は1リットル200円であったが、ここは水道がそのまま飲料可であった。
 

〜平成27年7月24日(金)〜

 4
時に起きる。山小屋に泊まると前日寝るのが早いので、朝早いのも苦にならない。
 5時から食事、外はまだ細かい雨が降っている。
 5時50分に出発。今日は今回のハイライトコースで、燕岳の手前の燕山荘を目指す。距離も10kmと、所要8時間の予定である。

 横通岳に向かって登っていると、雨も上がり、綺麗な虹が歓迎してくれていた。これまでの雨を詫びるように、日本アルプスもなかなかその演出が憎い!
 ガイドの秋山氏は、「雨も上がってこの虹を見た時は涙が出るほど感動した!」と後で言われていた。せっかくはるばる九州から来た我々に早くその絶景を見せたかったらしい。

 時折ガスが薄れて、左手に穂高連峰が垣間見えるがその全容は見えない。
 横通岳を山頂には登らず山腹を縦走していく。後はなだらかな縦走コースとなった。

 ガスが立ち込めたり、薄くなったりを繰り返してはいるものの、絶景を眺めながらの感動の縦走旅となった。
 9時45分に大天井ヒュッテに着いた。
 ここにザックをデポし、カメラのみを持って55分に出発、大天井岳山頂(2,814m)を目指す。すぐに山頂に着いた。ザックがないと皆足元が軽いようだ。個別に写真を撮り、またここでツアー全員の集合写真も撮って下山する。10時20分に下山して来た。
 食堂で800円のカレーライスを食べる。徳沢園のカレーも有名であるが、ここも有名らしい。山で食べるカレーの味はまた格別である。誰かがお冷はないかと聞いていたが、ここで も飲料水は有料であった。

 食後、外に出て見ると槍ヶ岳が見えていた。写真を撮っていると山小屋の方が「あれは前穂高岳です。」とのこと。徳沢園から見た前穂の山頂は横に広いように見えたが、ここからは先が尖って見える。見る方向によってこんなにも違うものかと改めて認識させられた。 しかし、これが槍ヶ岳ですよと見せてもおそらく分別できないであろうほどに見事な槍の穂先を見せている。

 11時5分出発、アップ、ダウン、ガレ場、岩場等を繰り返しながら進んでいく。
 やっと本当の槍ヶ岳も見えだし、絶景の中を歩いていく。
 
 小休憩の後、一気の登りを登っていく。登りつめた所で小休止。13時20分になっていた。
 ここから燕山荘までは1時間とのこと。
 しかしながら、この登りは今回のこれまでの行程の中で最もきつかった。皆が黙ってガイドの秋山さんについて登っていくので、意地でもとついていったが、皆も同じ気持ちだったとのことで少し安心した。

 ここからは尾根筋で、少々の登りはあるが、蛙岩を経由し、14時50分無事小屋に到着した。
 山頂にも多くの登山者が見える。今日は山小屋は混み合いそうだ。

 こまくさの白花が近くにあるとのことで、その確認に皆で行く。白花が4〜5株ほど点在していた。
 部屋は4階の屋上部屋であった。19名が一緒の部屋になった。両サイドは屋根裏のため斜めになっており、頭を気をつけないと危ない部屋である。

 荷物を整理して、早速テラス席に出て、燕岳を眺めながら生ビール大ジョッキーで乾杯する。
 山小屋での最高に至福の時間が流れる。

 少し風が冷えてきたので、室内のテラス席に場所を変える。ここに山田さんがいたので、同席する。山本氏がワインを飲もうと言いだし、ボトルを2本(4,400円也;山本氏がしっかりと書いておいてくれとのこと!)を皆でいただき、ワインパーティが始まった。

 18時40分から夕食、食事が終わるころに山小屋の赤沼オーナーが出てきて、山の話の後に名物のホルンの演奏が始まった。見事な演奏に登山客皆が聴き惚れていた。

 部屋に戻って、明日は朝食前にご来光登山をすることになったので、ヘッドランプなどその準備をしておく。
 また明日は下山になるので、他の荷物の整理もしておく。     
 

〜平成27年7月25日(土)〜

 
時20分起床、4時に表に集合し、ストレッチをやって出発。これから燕岳へのご来光登山である。
 真っ暗な中を歩いていく。緩やかな登りで30分足らずで山頂(2,762m)に着いた。山頂で登頂記念の写真を個別に撮って、少し降りた所で待機する。赤く染まった富士山が綺麗に見え、南アルプスから立山連峰まで綺麗に見える。さすがの日本アルプスの景観に改めて敬意を表する。

 4時55分出発、5時20分前に小屋に戻り、6時から朝食。
 食後、テラスに出て、燕岳や富士山、槍ヶ岳等に見守られながらヨガ体操をやった。神々しい山々が持つ神聖な精気が体中に取り込まれたようだ。
 後で聞いた話であるが、この時、富士山の山小屋に女房の妹のヨッチャンがいたらしい。

 6時50分出発、北アルプス3大急登の一つである合戦尾根を下っていく。下りは楽であるが、登ってくる人が多く、離合に時間がかかった。

 7時35分、合戦小屋着。ここではスイカ(1切れ800円)が有名であるが、これも山本氏と、遅れがちであった女性がお詫びにと皆におごってくれた。有難くいただく。

 スイカを食べ終わって7時50分出発、8時25分富士見ベンチ着、中房温泉まで3.1km、燕山荘まで2.4kmとの表示があった。時間的にはかなり順調に降りてきているようだ。
 今日は一気に1,300mの高度差を降りることになる。

 小休止して出発、9時10分に第3ベンチ着。今日は土曜日とあって登って来る人が多いが、中には軽装で日帰りの方もおられるようだ。 中学生や小学生の団体もいたが、 小学校の先生によるとこれから鑓まで登りますとのこと。何とも素晴らしい学校行事ではないか!

 9時15分出発、9時50分、第2ベンチ着。10時出発、10時20分第一ベンチ着。10時25分出発、11時過ぎにやっと中房温泉まで降りてきた。更に車道を歩いて「有明温泉」へ。ほぼ10分で着いた。

 バスから預けていた荷物を引き出し、温泉セットを持って温泉へ。
 洗面台は6人分しかなく、ずっと満員状態であった。しばらく露天風呂でくつろぐ。これも最高にリッチなタイムである。 風が心地よく顔をなでていき、日本アルプスを堪能できたことに改めて感動を覚える。

 露天風呂から上がっても待ち人がいたので、一番手前の洗面台の方にシャンプーからボディソープを借りて、浴槽の横で洗う。おかげで並ばずに済んだ。

 上がって食堂へ。山賊焼き定食に穂高地ビールを注文、温泉上がりのほてった身体に、ビールが最高にうまかった。続けて赤ワインも飲む。デイリーワインであるが、表銀座縦走コースの縦走達成感から最高に満足のワインであった。

 バスに乗り込み13時出発、ガイドの秋山氏は穂高駅で別れる。途中3回ほどトイレ休憩に立ち寄り、18時過ぎに中部国際空港に着いた。
 ザックを預けておみやげを買い、山本氏とレストランへ向かう。山本氏はきしめんが食べたいとのこと、小生はひつまぶしがいいとのことで、両方ある店を探し当てたところに女性陣が4名いたので合流し、店に入る。
 すると、きしめんとミニひつまぶしが両方セットになったメニューがあったので全員これを注文する。
 生ビールで乾杯する。セットメニューは値段の割にお得な内容となっていた。ちょうど夕日が沈む頃で、真っ赤な夕日が今まさに沈むところであった。雨にもあったが、感動の虹の日本アルプスを見ることができ、更には最後に最高の夕日が見送りをしてくれた。
 山本氏が全員分の面倒を見るとのことで、有難くおごってもらう。山本氏は女性に囲まれ「竜宮城みたいだね!」と感動されていたので、まあ、いいか! ブラックカードでもあるし・・・。

 20時25分発のANAに乗り込み福岡空港へ。21時45分着、小島氏、和間氏と別れの挨拶をしてザックの引き取りに向かう。荷物を引き取り、山本氏や他のメンバーと別れの挨拶をし、出口から出た所でふと見ると、女房が迎えに来てくれていた! 地下鉄の駅に迎えに来てもらおうと思っていたが、有難い!!!
 都市高速を走り、おかげで22時半過ぎに無事自宅に帰りついた。

 後で分かったことであるが、スイスの旅友の小松さんのご主人が今日燕岳に登 られていたとのこと。今朝下山時に多くの登山者とすれ違ったが、この登山者の中に小松さんのご主人もおられたのかもしれない。

 今回は2日目から3日目と雨にあったが、その後は時折ガスはかかっていたものの、絶景を眺めながらの表銀座コースを堪能することができた。旅友にも恵まれ、また記憶に残る山旅となった。同行者の方々と、 特にお世話になった山本氏、3回目の同行になった小島氏と和間氏、添乗員の平川氏、山ガイドの秋山氏にも感謝! 若い山田さんはこれからも日本アルプスを十分に堪能してください!
   

 上高地〜蝶ヶ岳〜燕岳〜中房温泉縦走 ;  28時間(休憩・食事タイム含む)