【  白馬3山(白馬岳〜 杓子岳(バイパス)〜槍ヶ岳)  】  2,932m

〜 平成26年8月21日(木) 〜

 7時45分に博多駅に集合し、新幹線に乗り込む。ツアーといっても今回はたったの4名とのこと。
 当初は12名ほどの申し込みがあったそうだが、最近の天候不順や日本アルプスでの遭難事故が相次いでいたことからキャンセルが多くでたが、既に催行の最終案内を出していたことから4名での山旅となったとのこと。
 クラブツーリズムの添乗員はアベさん、これから白馬3山縦走に向かう。
 博多駅から久富氏と小生の2名乗車、久富氏は小生と同じ昭和21年のイヌ歳生れの同級生であった。
 新小倉駅から工藤久美子さんと坂井氏の2名が乗車、皆、個人参加であった。

 博多駅8時5分発、名古屋駅11時30分定刻着、小型バスへ乗り込む。
 11時43分発、中央自動車道へ。13時30分、駒ケ岳SA着小休止、50分発、右手に南アルプスの山々が綺麗に見えている。今月初めに登った北岳や、甲斐駒ケ岳の山容が見事である。
 14時40分梓川SA着、同50分発、15時55分に白馬駅着。白馬山荘の案内所にて地図やパンフをいただく。ここで山ガイドの2名が乗り込まれる。たった4名の山旅に羽山菜穂子さんと曽我氏の2名がガイドにつかれる。何とも贅沢な山旅である。

 山道を走って、17時30分に山間の温泉山小屋「白馬岳蓮華温泉ロッジ」に着いた。
 ここは上杉謙信の隠れ場とも言われた温泉であり、ロッジの周りには露天風呂もある。
 北岳では3泊とも風呂がなかったが、今回は3泊中の2泊が温泉付きと異例の恵まれた山旅になる。
 お客は少ないので、部屋もゆったりであった。
 ロッジの外に出て、しばらく夕景を楽しんで、7名での夕食となり、生ビールで乾杯する。ツアーというよりもグループ登山みたいなものである。
 山ガイドの羽山さんは、かっては山の道具店に勤めていたが、今はタウン誌の編集に携わりながら山ガイドをやっているとのこと。また曽我さんは、
民宿を経営しながらの山ガイドで、時には演奏会をやるほどのアコースティックギターの腕前とのこと。羽山さんも昔ピアノをやっていたとか。
 
 食後、温泉に入ると後はすることもない。早々に休む。    

 

〜 平成26年8月22日(金) 〜

 5時起床、今日はいい天気になりそうだ。
 朝食を済ませて、ヨガ体操をやり、その後皆で軽くストレッチなどの体操をし、6時半に出発する。

 白馬岳は大雪渓からの登山が有名であるが、今回はこの温泉から白馬大池を経由して山頂を目指す。
 白馬岳はその優雅な響きを持つ山名にふさわしい洗練された山容を持ち、北アルプスの中では、槍ヶ岳と並んで人気の山である。「シロウマ」か「ハクバ」かで今でも議論があるようだが、残雪の形が「代掻き馬」に見えることに由来していることから「シロウマ岳」が正式である。地元が「ハクバ村」としたことからややこしくなっている。
  古い記録の中に、白馬岳を讃えた詩歌は見当たらない。これは場所が北にあって、かっては辺境の地であったことからか。しかし、明治16年8月に時の郡長と小学校長が白馬岳へ登った記録が残っている。まだ、近代的な登山技術もない時代にである。その後、ウエストンが明治27年にここ蓮華温泉から白馬岳を往復している。

 木漏れ日の樹林の中を登っていく。快適な登山である。小休止を2回して、8時半に「天狗の庭」に着いた。ゴロゴロした岩場であるが、何故か景観が整っている。天狗の庭とはよく名付けたものである。 はるかかなたには日本海が望める。
 8時40分出発、10時ちょうどに「白馬大池」に着いた。ここは白馬乗鞍岳のトロイデ式火山の噴出物によってせき止められてできた池で、小蓮華山の伏流水や残雪の融雪水を蓄え、池の周りは高山植物のお花畑となっている。

 15分出発、11時に「舟越の頭」着、歩いて来た道は「栂池スカイライン」と命名されている。12時ちょうどに「小蓮華山」山頂着。少しガスがかかってきた。

 13時5分に雪倉岳との分岐点である「三国境」通過、13時40分に白馬岳山頂に着いた。ガスがかかって見晴らしは効かないものの、風は穏やかである。お互いに記念の写真を撮り、集合写真も撮った。

 撮影後出発、14時5分に「白馬山荘」に着いた。
 この山荘は、明治39年開業の、宗教登山に由来しない山小屋としては日本最古である。またその規模も日本最大で、「レストランスカイプラザ白馬」まで有する。

 全員集合し、まずはここで宴会を始める。レストランでの生ビール、最高に至福の時間が流れる。
 時折ガスが薄れて立山連峰や剣岳が見事な雄姿を見せる。

 その内にガスも晴れて、周辺の日本アルプスの山々が明確に見えだした。はるかかなたには富山湾から能登半島まで見える。山ガイドさんによると、ここまで見えることは珍しいとのこと。
 透き通ったような青い空に、そろそろ秋の気配も感じる。
   
 食後は、明日のコースを確認して休む。
 

〜 平成26年8月23日(土) 〜

 4時30分起床、朝食時、小生のホームページを紹介し、サボテンの話で盛り上がる。
 食事を済ませて6時15分に出発する。
 夜中に降り続いた雨は既に上がっているが、ガスが立ち込め、風がかなり強い。
 防寒のためにも一応ストームクルーザーを着こんでいる。 

 山小屋で確認すると、風が強いので安全のため杓子岳はバイパスした方がいいだろうとの助言。よって巻き道を通ることにする。(杓子岳はカットしたため、3山縦走とはならなかった。)

 6時15分に杓子岳への分岐点を通過し巻き道へ。
 しばらく歩いていると、薄日が差しだし、その内にすっきりとガスも晴れてきた。
 振り返ると、白馬岳から杓子岳が並んで聳え、見送ってくれていた。

 8時25分、白馬槍ヶ岳山頂着。ここから見る立山連峰や剣岳、穂高連峰も素晴らしい。
 しばし絶景を堪能して出発する。

 8時55分に稜線から左折し、白馬鑓温泉を目指す。
 既に汗ばむ陽気となっている。

 ここからはかなりな急傾斜の下りもある。
 大出原で小休止する。ここは白馬岳屈指の花畑で、真っ赤なクルマユリの群生が見事であった。

 9時10分出発、ここからは鎖場が続き、岩が濡れているので滑らないように注意しながら慎重に降りていく。
 11時10分、早々と「白馬鑓温泉」の山小屋に着いた。
 こんなに早い時間に次の山小屋に着いたのは初めてのことである。

 ここの山小屋は7月上旬に小屋を組み立て、10月上旬には解体してしまうとのこと。そのために構造は解体しやすいような構造体になっている。 小屋は大正の初めに出来ている。

 荷物を整理して早速露天風呂に入る。ここは標高では日本一高い所にある温泉でまさに絶景の秘湯である。
 
 風呂から上がって、弁当をつまみに缶ビールで乾杯する。
 山の話で盛り上がっていると、ツアー添乗員の話になり、品定めが始まったが、内容は差し支えがありそうなので割愛する。皆、クラブツーリズムとのつきあいが長いようだ。 まだ現役の久富氏は年に1回のアルプス登山、黒田氏は看護婦をされていた最愛の奥さんに先立たれ、今は一人で山旅を楽しまれている。今年7月に剣岳にも登ったとのこと。工藤さんは山ガールで、「昨年、木曽駒に 登った。」との話になったので、小生も一昨年木曽駒に登り、その時のメンバーで意気投合して、その後も春秋の山旅懇親会が続いている旨の話をし、また、その時のメンバーの全員が「O型」であったとの奇遇も紹介しておいた。

 食事を終わって、また露天風呂に入ろうかと思って様子を見にいくと、女性数人が水着で入浴中であった。しばらく見合わせる。

 女性陣が上がったとの情報が来たので、また、露天風呂に向かう。
 他の登山者と至福の時だと秘湯を讃えあう。皆、おばさんパワーに圧倒されて入浴を遠慮していたらしい。

 17時半から夕食となる。また缶ビールで乾杯し、サボテンの話で盛り上がる。
 食後、山小屋の周りを散策していると、空に虹がかかっていた。最高のおもてなしであった。
 

〜 平成26年8月24日(日) 〜

 4時半起床、ご来光を期待して早速温泉へ。既に女性が入浴中であった。朝の挨拶を交わす。
 赤みがかった帯状の雲がたなびいている。
 5時10分過ぎになって、やっとご来光となった。露天風呂に入って見る荘厳なご来光であった。

 朝食を済ませて6時10分に出発、昨日と打って変わって暖かい朝である。
 8時ちょうどに「小日向のコル」着、小休止して、出発する。
 「崩沢」、「落石沢」と物騒な名前が付いた沢を通過していく。

 9時40分に林道に出て、更に少し歩いて9時55分に猿倉着、無事下山してきた。
 軽く下山後の運動をして、バス
に乗り込む。

 
10時5分出発、バスが走りだして、しばらくして雨が降り出した。今回の山旅では全く雨に会うことはなかったが、我々の下山を待っていたように雨が降り出した。黒田氏が曰く「ガイドさんともお別れなので、涙雨だ!」と。

 10時30分、白馬駅着、ここでガイドさんお二人と「また山で会いましょう!」と挨拶をして別れる。
 10時35分、「十郎の湯」着、ここで温泉タイムとなる。

 やっと石鹸が使える温泉に入る。身体と心まで綺麗になった気がする。
 温泉から上がって、当然ながらまた宴会が始まる。生ビールを2杯も飲んでしまった。バスのトイレが心配になるが、
1杯じゃ足りない!
 「今回の添乗員のアベさんは楽だったろう、我々みたいにいいお客さんはめったにいない。」と自画自賛で宴会を締めくくった。

 12時10分に出発、13時5分に安曇野の道の駅風の場所に立ち寄り、30分出発。安曇野ICから長野自動車道へ入る。14時30分に駒ケ岳SA着、45分出発、 16時5分内津峠PA着、20分出発、このまま名古屋駅に向かうにはまだ時間が早いので、運転手さんの配慮で名古屋城をぐるりと周って駅に向かう。

 17時5分名古屋駅着、定例のおみやげと弁当、ワインを買いこみ、ホームで冷えた缶ビールを仕入れて新幹線に乗り込む。また宴会の始まりである。

 17時52分名古屋駅発、21時前に新小倉駅着、工藤さん、黒田さんを見送る。21時14分博多駅着、久富さんとアベさんと別れ、地下鉄へ。女房の迎えの車に乗って、9時50分に無事帰宅した。
 
 今年の日本アルプスへの山旅も終わった。共に感動の山旅となった。新たな人との出会いも楽しめた。
 それぞれに人生があって、それぞれに愛すべき人々であった。

 さて、日本の標高順の5番目の山(富士山、北岳、奥穗岳、間ノ岳、槍ヶ岳)まで登ったが、来年の日本アルプスの山旅はどこにするか?
 工藤さんは「燕岳」がおすすめとのことだったが・・・。

 

(杓子岳バイパス、ゆっくり休憩時間を含むタイム)
白馬岳登り;7時間10分  白馬岳〜槍ヶ岳;2時間25分  槍ヶ岳下り;6時間20分