【  立山三山・縦走  】  3,015m

〜 平成24年8月24日(金) 〜

 今日から3日間、クラブツーリズムの立山三山縦走ツアーに出かける。

 9時10分に博多駅新幹線ひかり広場口集合、博多駅からは8名の参加、小倉駅から7名の参加となった。
 添乗員は野曽さんという足腰が非常に丈夫そうなたくましい女性、さすがに中級クラスのアルペンルート登山の添乗員さんである。おまけに後で聞いたところ、お酒も軽く○升は飲まれると言う。この点でも頼もしい!

 9時30分発の≪のぞみ20号≫で新大阪へ。ここで12時46分発の≪サンダーバード21号≫へ乗り換え富山へ。

 16時4分に富山着、北陸とはいうものの、ここ富山も焼けつくような暑さである。そのまま歩いて駅前のアパホテルへ直行する。

 バイキングの夕食、生ビールはないとのことで、止む無く瓶ビールで乾杯する。
 今回、男性の一人旅は大宰府から間もなく80歳になるというKさん、朝倉から参加の70歳のTさん、北九州から参加のAさんの3人。他は夫婦連れか女性の二人連れである。男性はそれぞれに個性が豊かそうで、楽しい旅になりそうである。

 食事を終えて、ペットボトル2本を購入し冷蔵庫へ、更に空のペットボトル1本に水をくんで冷凍にする。これで明日の準備はできた。


〜 平成24年8月25日(土) 〜

 朝、5時に起きる。準備を整えてフロントに降り、6時にバスで出発する。天気は素晴らしくいい。
 途中、立山アルペン村でトイレ休憩をとって、立山有料道路へ。バスの通行料金は50,400円と高い。マイカー規制をしているので、その分高額になっているわけでもないようだ。
 ここから一気に標高2,450mの室堂に向かう。窓外の景色が素晴らしい。さすがに日本アルプスの山々である。

 8時過ぎに室堂ターミナルに着いた。不要な荷物はバスの中に置いてていいとのことでかなり楽になった。
 17年5月以来の室堂である。雪がないために、また違った景観である。しかし雪渓が残っており、まことに絶景である。登山家以外の人も多い。やはり人気の場所である。

 上の広場に集合し、準備体操をして8時30分に出発する。
 これから立山三山縦走である。

 立山という名前の山はない。・・・というのが立山を説明する時の定番の始まりである。
 立山は、雄山、大汝山、富士の折立の三山を総称して呼ばれる。
 また、立山三山とは、浄土山と別山を加えた山である。
 今回はこの立山三山を縦走する。

 途中、小休止をはさみながら、浄土山を経由して11時20分に一の越小屋に着いた。かなりゆっくりペースである。
 室堂から直登の道からも次々に団体登山客が登ってくる。
 小休止して、ここから雄山へ向かう。メンバーの一人がここでリタイアされ、室堂泊まりとなった。

 30分に出発、13時前に山頂に着いた。ここで昼食タイム。
 ここの山頂には神社があるので、500円払って登らなければいけない。そのための行列ができていたので、諦めて食事にする。山でたべるおにぎりの美味しさは格別である。

 雲が出てきて、かなり見晴らしが悪くなってきた。山ガイドのMさんも、「今日はこのまま雲が晴れないかもしれない。」と言われていた。

 13時30分に出発、この頃には雲も晴れてきてまた見晴らしもよくなった。
 14時ちょうどに大汝休憩所着。
 ここに荷物をおいて、立山の最高峰である大汝山山頂(3,015m)に登る。山頂はただ岩山で狭いので、順番に並んで山頂の写真をとってすぐに下山する。
 
 15分出発、富士の折立からかなり急な岩場を降りていく。目の前に広がる内蔵助カールが素晴らしい。あわててリュックからビデオを取り出して撮影する。 また帰ってからのビデオが楽しみである。バックミュージックはスクリーンがいいかギターがいいか迷う。

 稜線の途中で休憩する。まさにアルペンルートといった感動の景観である。 一時は危ぶまれた雲もすっきりと晴れて最高の登山日和になった。天を仰ぎ天候にも感謝する。

 真砂岳から別山へ。右手の稜線上に内蔵助山荘が見えている。ここは日の出が見える山荘として有名である。別山について、ここでまた少し長めの休憩を とる。目の前に剱岳がそびえている。はるかかなたには、鹿島槍ヶ岳、白馬岳がそびえている。

 しばし景観を楽しんで山小屋に向かう。17時ちょうどに剱御前小屋についた。今日はここで泊まりである。
 朝8時半に室堂を出発し、山小屋着17時、よって長めの休憩をとりながら計8時間半の山歩きであった。

 本日、山小屋は満室で予約以外の宿泊はできないとの案内が出ていた。Mガイドさんを加えて男9名で1部屋に収まる。女性は別室へ。

 夕食は18時半からなので、時間はたっぷりある。350mlの缶ビールを買ってKさんと小屋の外へ出る。そこに野曾さんとガイドのMさんが既に缶ビールを飲まれていた。しかも500ml 缶!
 山小屋の外に出て飲むビールは最高である。このためにここまで来たといっても過言ではない。

 しばし夕景を楽しむ。ビデオとカメラにその見事な夕景を収める。剣岳の下にはかなりな数のテントが設営されている。皆、剣岳を目指すのであろう。 「剣岳・点の記」のせいもあるのか、剣岳は厳しい山と言う印象が強いので、ここに登ろうという気持ちはない。
 少々冷え込んできたので、ビールを飲み干して早々に部屋に戻る。

 夕食時にまたビールを飲む。これもうまい。食事を済ませて部屋に戻ると、もう横になっておられる方もおられた。 

 19時半にMガイドさんが星座の説明をされるとのことだが、パスして明日のコースを確認する。明日は 室堂ターミナルまで戻るが、コースタイムが2時間半になっているので、ツアーだと3時間はかかりそうだ。

 星を見に行ったメンバーが帰ってきて、明日に備えて20時に消灯する。


〜 平成24年8月26日(日) 〜

 4時に起きる。なかなか熟睡というわけにはいかなかった。
 雨水で顔を洗って、歯をみがき、髭をそって部屋に戻る。特に何もすることはない。

 5時に朝食、熱い味噌汁がおいしい。
 外に出て、また朝焼けの絶景をビデオとカメラに収める。

 山小屋の前で集合写真をとって、6時に出発、雷鳥坂を下っていく。時々ここを登って来る人に出会う。 降りるのは楽であるが、ここを登ってくるのは結構大変そうだ。

 途中休みらしい休みもとらずに1時間半足らずで一気に沢まで降りてきた。ここで小休憩する。
 二人の女性がこちらにこられた。「大日岳ですか?」と聞くと、立ち止まって「剱御前です。」とのこと。更に「雷鳥坂は大変でしょうか?初心者なもので。」と聞かれた。下りだったので岩場ではあるが楽な歩きであったので、「ゴロゴロしてはいて、坂も少し厳しいが ゆっくりと登っていけば大丈夫ですよ。」と答えてあげる。 

 雷鳥沢テント場を通って、階段を登っていく。
 地獄谷からの硫黄ガスのにおいがきつく、立ち木の枯れたものが多い。最近になってガスの成分が変わってきているようだ。

 登りつめてまた小休止、すぐそこに室堂のホテル立山が見えている。

 みくりが池の横を通って、立派な温泉センターへ。
 とりあえず、バスに荷物を置いて、温泉センターで立山の植物のビデオを観賞、時間が残り少なくなってきたので、途中で退場し、おみやげ品売り場へ。
 女房からおせんべつに1万円をもらっていたので、これでおみやげを購入する。
 バスに乗り込んで10時ちょうどに室堂を出発する。

 11時10分に富山の奥座敷「白樺ハイツ」へ。ここで温泉に入り、2日分の汗を流す。
 上がって、和室でKさんと缶ビールを飲む。
 Kさんは、公民館長から、山の会の世話人などでまだまだ多忙とのことであるが、間もなく80歳とは見えない。

 バスに乗り込んで、昨日トイレ休憩に利用した「立山アルペン村」にて昼食となる。食後、またおみやげを物色、添乗員の野曾さんは「ホタル烏賊の醤油漬け」を買われ、「これで酒のつまみができた!」と満面の笑みであった。

 13時30分に出発し、富山駅へ。駅は工事中で構内に喫茶店もない。1時間余裕があるので、Kさん、Tさんと駅前の喫茶店に入り込んで涼む。
 Kさんは水彩画も描くとのことで携帯でその作品を見せてもらった。Kさんの水彩画は、まずペンで細部まで鮮明に描き、それにうすく色付けをしてある。かなり見事な出来栄えであった。

 小生も水彩画と墨絵の道具は揃えているので、本格的にいつ始めるかという状態になっている。
 まずはひょうたん用に墨絵からかと考えているところである。が、こうして見ると、水彩画もいい。
 いずれにしても、まだまだやることが多いので、これから段々と絵描きの気分を盛り上げていくこととしよう。
 
 15時22分発の≪サンダーバード34号≫で新大阪へ。新大阪で18時32分発の≪のぞみ47号≫で博多へ。 

 新幹線の中で、隣に座られたTさんと山の話をする。
 Tさんは、かなりな山に登られている。 小生が持参した「夏、山へ。」(男の隠れ家特別編集)の雑誌を見ながら、

 Tさん;「げっさん(月山)」にも登った。 ⇒ 小生;ん? 「がっさん」ですね。 Tさん;「うん」
 Tさん;「はくばさん(白馬山)」にも登った。 ⇒ 小生;ん? 「しろう
まだけ」ですね。 Tさん;「うん」

 この「はくば」か「しろうま」かは微妙であるが、現在は地元では村や駅、山小屋の名称は「はくば」が使用されている。しかしながら元々この山の名前は、雪解けの山肌が「代掻き馬」に見えたために「代馬岳」と銘々されていることから、登山家の間ではこだわって「しろうまだけ」と呼ばれることが多い。
 槍ヶ岳、八ヶ岳、奥穂高にも登ったとのこと。今回が最後と奥さんから言われたとか。
 なお、奥さんはもっぱら友達と海外旅行三昧らしい。なんとも愛着のあるTさんであった。しかもカメラはいまだにフイルム式を使用されていた!

 新幹線は早い。2時間少々で新小倉に着き、北九州組のAさん他6名が降りていかれた。

 間もなく博多である。降りる準備をし、駅に着いて乗り継ぎ組、添乗員の野曾さんと分かれて解散となる。
 バスは無料パス券があるが、長旅で座り疲れたので地下鉄で帰ることにする。女房にメールし、最寄り駅まで迎えを頼む。

 これで、今回の旅も終わった。中級クラスの登山コースであったが、山ガイドのMさんの名リードのお陰で、特にあえぐこともなく、楽しい山歩きで立山三山の踏破ができた。Mさんに感謝!

 さて、次は9月に西穂高(独標)ツアーに申し込んでいるが、まだ申込者が定員に達していない。大丈夫か?

 また、来年は奥穂高コースと槍ヶ岳コースを申し込みたいと思っている。これも楽しみである。しばらくは日本アルプスを満喫することとしよう。
 


室堂〜浄土山〜雄山〜大汝山〜富士ノ折立〜真砂岳〜別山〜(剱御前小舎泊) : 8時間30分

小舎〜雷鳥坂〜室堂平〜室堂 : 3時間00分