【  久住山・中岳&大船山  】  1,791m

〜 平成24年10月12日(金) 〜

 今年7月、木曽駒ヶ岳ツアーに参加したメンバーで約束をしていた久住登山が実現し、明日、長者原に10時半に集合して、久住登山後、法華院温泉山荘に泊まり大宴会、翌日大船山登山をして下山することとなった。

 久しぶりに(と言っても1年ぶりであるが)久住に行くので、前日から入りこみ、高原の秋を楽しむこととした。

 9時40分に自宅を出て、九州道へ入る。前方で事故が発生したようで、大宰府インター通過後しばらくして大渋滞になり、一向に進まなくなった。1時間ほど少し進んでは止まりを繰り返し、やっと事故現場を横目に見ながら通り過ぎて渋滞解消、九重ICから一般道に出て長者原に着いたのが12時半であった。
 さわやかな高原の風と、秋模様が出迎えてくれた。三俣山を見上げながら少し周辺を散策する。新鮮な山の空気は、心身ともにリフレッシュさせてくれる。

 茶店に戻って「そばセット」で昼食を済ませて、13時20分出発、やまなみハイウェイをひた走り、「くじゅう花公園」へ向かう。13時45分着、現在、秋桜祭り期間中で「コスモ スウォーク」なるイベントがあっているため、ウイークディにもかかかわらず結構車と人が多い。

 1,000円を支払って中に入る。様々な花が綺麗に咲き誇っているが、肝心の久住山は雲に覆われてしまっている。「せっかくの装いを準備してくれているので、少し顔を出して欲しい!」と 山に向かってお願いして園内を回る。

 花の香りに酔いしれながら園内を散策しコスモス園に来た時に、見上げると雲も晴れてきて、久住山が山頂を見せてくれていた。 また写真を撮りに戻る。着飾った久住山を写真におさめて、改めてその雄姿を見せてくれた久住山と少し遠慮してくれた雲に 頭を下げて感謝する。

 引き続きしばらく園内を散策して、 15時ちょうどに出発、牧の戸峠に立ち寄る。明日はここにはこないので、展望台まで登ってみる。山の斜面はまずまずの紅葉ぶりであった。
 ここに来ると、かってイタリアのモルティニ教授と当時の局長をのせて、ここまでドライブに来たのを思い出す。モルティニ教授は健脚で、この展望台までかなりなスピードで登られていた。

 少し早いが、ホテルに向かう。今回は「九重観光ホテル」を予約している。インターネットで牧の戸峠と長者原の間にある宿泊施設を検索していると、弁当と温泉入浴券までついて1万円との格安であったので、ここに決めた。

 16時15分にチェックインする。部屋に案内されると、目の前に三俣山がそびえる絶景の部屋であった。
 さっそく温泉に向かい、まだ誰もいない露天風呂に入る。目の前の三俣山を見上げながら、ゆったりとした至福の時間が流れていく。少し女房に申し訳ない気分になる。 次回は女房連れで来ることとしよう。

 夕食も豪華であった。小鉢、松茸のお吸い物、お造り三種盛り、海老の奉書グラタン、和牛すきやき鍋、豚スぺアリブ、穴子柳川風饅頭、蟹・きゅうりの酢の物、香物三種盛りで、デザートが日向夏ゼリーというもの。
 まずは生ビールで喉をうるおしたが、ビールでは物足りず、料理にあわせて白のグラスワイン、次に赤のグラスワインを飲む。大満足の食事であった。

 部屋に戻り、「Ipad」で音楽を聞きながら、「ハプスブルク家」に関する本を読む。いよいよ中欧旅行が1週間後に迫ってきたので、その準備が忙しくなってきた。  


〜 平成24年10月13日(土) 〜

 昨日早く寝たので、朝5時半に目が覚める。横になったまま少し本を読んで起き出し、朝食を済ませる。部屋に戻り準備を整えてフロントで清算を済ませ、 サービスの弁当と温泉入浴券を受け取って8時半に出発する。

 まずは当初予定の牧の戸峠へ様子を見に行く。峠の駐車場は既に満車状態であったが、手前の道路沿いの空き地はまだ十分に余裕があった。大曲がりは既に大半の空き地が車で埋まっていた。 ここからの登山者も多いということだろう。

 長者原へ着いて、観光案内所の裏に車を止め、ここで待つことにする。
 今回の参加者は、木曽駒ツアーのメンバーである桑山氏、有働氏、根塚氏、上藤さん、名越さん、それに桑山氏の友人の村山氏、上藤さんの友人の秋山さんという総勢8名の山旅である。
 スケジュールは有働氏と根塚氏で検討していただき、山荘の手配は有働氏がされた。

 桑山氏は友人と一緒に先に登って法華院温泉山荘で落ち合うことになっている。
 当初は牧の戸峠から登る案であったが、最終的には長者原から登り始めることになった。全員がそろい、それぞれ挨拶を交わして登山開始が10時35分、順調に登っていき、すがもり峠着12時10分、ここで昼食にする。

 三俣山西峰を見上げながら、ホテルでサービスにいただいた弁当を食べる。おにぎり2個とおかずが少々、山で食べるのにはちょうどいい量である。皆もそれぞれ持参した弁当をおいしそうに食べておられる。

 たまたま初めて参加した山旅ツアーで盛り上がり、再度の山旅が実現するとは、人の縁とは何とも不思議で、何とも愉快なものであると、一人ひとりを見渡しながら 改めて思う

 根塚氏は弁当の他にお湯を沸かしてラーメンまで食べられていた。根塚氏は本格的な山男で、山登り、山スキー等を堪能されているため、山の装備も万端かと思っていたら、後でハプニングが起きた。何とも愛すべき人物である。

 当初は「長者原〜すがもり越〜久住山〜天狗ガ城〜中岳〜白谷口〜山荘」という計画であったが、本来の目的が「山に登って、山荘で大宴会」であり、温泉とビールが全員の目の前にちらつきだし、早く山荘に入りたいという思いが一致して、途中 をカットしようということになった。結論は早かった。結果、久住山カット、天狗ガ城カットで、久住分れから中岳に登って山荘というコースに決定した。

 昼食を済ませて、12時35分出発。北千里を過ぎて久住分れへのとりつきの途中で、降りてこられる桑山氏と村山氏にバッタリ出会った。山荘で会いましょうと挨拶して登り続ける。昼食後の登りということでメンバーは少しお疲れモードで、休み休み登っていく。

 久住分れ着13時25分、今日は雲もほとんどなく、最高の秋晴れ模様である。

 座って小休止していると、横の夫婦の会話が聞こえてきた。「おとうさん、滑らない歩き方ってあるの?」「あるよ、滑る前に止まるんだよ!」 なるほど・・・・???

 小休止後出発、14時10分に御池についた。ここで有働氏と名越さんは御池の観賞に切り替えられ、残り4名はリュックをおいて中岳を目指す。リュックがないと何とも足が軽い。25分に登頂、写真をとって折り返し下山、45分に戻ってきた。

 14時50分に出発、元来た道を引き返す。北千里を過ぎて、ゴロゴロした下りの岩場が結構長く続く。
 山荘着16時30分、山荘を予約された有働氏が受付をされる。

 温泉は今は入浴者が多いとのことで、山荘の表のテーブル席に座って、まずはビールで乾杯する。
 この楽しみのために山に登っているのかもしれない。
 持ち寄りのつまみが出される。根塚氏が持ってこられたミモレットチーズがうまかった!

 部屋に入る。桑山氏は別の部屋を予約されたので、隣り合わせの4人部屋に男3人、女3人とそれぞれ入る。4人部屋なのでゆとりがあるのがいい。荷物を整理して温泉に入る。 
 温泉には石鹸はなく、お湯が出る蛇口は上がり湯用の1個しかない。(他の蛇口は水!)
 浴槽は迎え合わせに足を曲げて並んで入ると8人づつで一杯といった大きさであり、温泉の湯がぬるいために、皆ゆっくりと時間をかけてつかっている。

 温泉からあがって、いつもスポーツジムで運動する格好に着替えて部屋に戻る。そのままのかっこうで暖房が効いた食堂へ行く。 ここでやっとメンバー8名全員がそろった。

 夕食時に隣に座られた上藤さんの友人の秋山さんと話をしていると、福岡は昔研修で室見に住んでいたことがあり、合同庁舎にも通っていたとのこと、小生は現在室見在住で、合同庁舎はかっての職場でしたと話し、またまたその不思議な縁に驚かされた。
 この秋山さんも上藤さん同様に山ガールで、20代から登り始め、北岳、槍ヶ岳、剣岳、白馬岳等々名だたる山は登られたとのこと。まったく、たくましい女性である。たくましいというと見るからに気の強そうな感じを受けそうであるが、本人はまことにおだやかで、いつも微笑みをたやさないいたって魅力的な女性である。

 夜、部屋に戻って大宴会が始まる。小生持参の「Ipad」で今年登った日本アルプスの山々の写真を披露する。

 話題が血液型の話しになり、その結果、木曽駒ツアー参加者6人の全員が「O型」であることが分かった。不作為に集まった6人の全員が「O型」である確率は1万分の7であり、これもまたまったく奇遇なことであった。

 たまたま山旅ツアーで意気投合し、盛り上がって一泊での今回の山旅になったという集まりであったが、血液型の一致でまたまた一段と盛り上がり、次回は春・5月の連休明けに大崩山にバンガロウ泊まりの山旅をすることが決まった。

 酒がすすむにつれて座も一段と盛り上がり、歌が始まる。昔の歌を歌い始めるものの、歌詞がわからず早々と終わり、次の歌になる。某氏が学生時代によく歌った替え唄を歌い始める。小生が青春賛歌に戻す。この繰り返しで時間が過ぎていく。

 22時になってこの場をお開きにし、やっとさしもの大宴会も終わった。

 部屋を片づけ終わった後、有働さんは温泉へ、根塚さんは「12時まで飲むぞ―ーー!」と勇んでいたが、小生が「Ipad」で画像の確認をしている間に、気がつくといびきをかきながら既に横で寝 ていた。


〜 平成24年10月14日(日) 〜

 5時半に起きる。
 朝食を済ませて、7時40分に出発する。天気は曇りである。
 坊がつるの避難小屋にリュックをおき、山で必要な荷物と「Ipad」のみ持って、8時10分に登山開始。

 ここで根塚氏のハプニングを紹介しておく。昨日、山小屋に向かう時に、登山靴の下貼り部分がペロンとはがれてしまった。歩きにくそうであったが、なんとか山小屋にはたどりついた。今朝は、小生があげた予備の靴ひもと山小屋で借りたテープでグルグル巻きにし応急措置をしてなんとか歩ける状態に修復できたというもの。
 おかげで、登山靴も長く履いていると傷むので、出発前にチェックしておく必要があることが分かった。

 桑山氏と村山氏は既に早朝出発されている。足が遅いのでメンバーに迷惑をかけてはいけないと、皆よりも早く出発されたものである。この気遣いも「O型」の特徴か。

 「Ipad」で音楽を聞きながら足取りも軽く(リュックがないので元々軽い!)、軽快に登っていく。一人、根塚氏のみが皆のペットボトルを背負い、靴の傷みもあり、昨日の飲み過ぎと3重苦で軽い口までもが重かった。

 9時30分に段原に着いた。紅葉で見事な大船山と、周りのパノラマ景観に感動させられる。特に白くたなびく雲と紅葉と緑と山の地肌の色合いが絶妙の景観を造り上げ、まさに 天上の錦絵を見ているようである。しばらく写真撮影に忙しい。

 10時ちょうどに山頂へ。写真をとって、最高の色合いを見せてくれている御池へ降りていく。素晴らしい景観で、座り込んでじっと見ている人も多い。座っている人に気をつかうこともできず、その前をとおり、池に映り込む紅葉とのバランスを考えながら写真を撮りまくる。

 10時35分に下山開始。登ってくる人に「御池の紅葉は最高に素晴らしいですよ。」と伝えながらひたすら降りていく。12時15分に避難小屋に戻ってきた。ここでリュックを取り出し、テント張りの個所に座り込んで昼食にする。

 昨日は大宴会の結果次第で、「この大船山もカットするか。」との冗談とも本気ともわからない会話がでていたが、大船山に登って本当によかったと、皆満足の様子で ある。山ふところに抱かれたここ坊がつるで、靴を脱いで座り込んで弁当を食べている。感動を味わった後の何とも言えないおだやかな気持ちで満たされている。 さわやかな風がほほを通り過ぎていくのが気持ちがいい。 

 12時55分出発、後は一途に長者原を目指すのみである。
 15時ちょうどに下山してきた。

 駐車場で皆と別れを告げ、来年春の再会を約してそれぞれが帰路についた。
 15時半出発、一昨日の道を戻り、17時半に無事家に帰りついた。

 
今回の山旅も天気に恵まれ、素晴らしい景観にも出会え、メンバーも楽しく最高に楽しい山旅になった。感動を与えてくれた天候と久住連山に感謝、ホテルにも感謝! また山友各位、同行者にも厚くお礼申しあげる。

 今晩から、写真の整理、山旅日誌作成、ホームページの更新と急がしい。
 今週土曜日からいよいよ中欧旅行である。買い込んだ「ハプスブルク家」に関する本7冊を読み終えるのも大変だが、その全貌が分かることで旅の楽しさが倍増する。しばらく多忙な日々がま だまだ続く。
 


長者原〜スガモリ越〜北千里ガ浜〜久住分かれ〜中岳〜法華院温泉山荘 : 6時間00分

山荘〜坊ガつる〜大船山〜坊ガつる〜雨ガ池〜長者原 : 7時間20分