【  多  良  岳  】  996m

〜平成20年7月26日〜


 
夏場の山登りは大変である。特に、山頂近くになって、いきなり直射日光を浴び続けるような山は疲れる。

 しかしながら、この時期でないといけない山がある。佐賀県と長崎県の県境にある「多良岳」がそれである。
 この多良岳は「オオキツネノカミソリの群生」で有名であり、この見ごろが7月末から8月の初旬にかけてということで、ピークハンターとしてはどうしてもこの時期の登山になる。幸い、この山は山頂も見晴らしがきくような山ではないので、日差しはあまり問題はないようだ。
 なお、多良岳への登山道は長崎県サイドに多いが、山頂は太良町にあり佐賀県に属する。

 7月の最終土曜日、朝4時に起きる。昨日の職場の飲み会も早々に引き上げてきたので、アルコールチェッカーでも全く問題はなし、よって運転にも支障はない。 今日は犬の「ラミー」も連れて行くことにしているので、その準備が大変である。えさから水、車の中のシートカバー、車に酔った時の準備もしておかなければならない。ラミーには一応、 乗り物の酔い止め薬を飲ませておく。

 5時半出発、三瀬峠経由の山越えで行けるコースであるが、ラミーのために、少し遠回りになるが、横揺れが少ない高速コースで行く。都市高速愛宕ICから九州道太宰府IC通過、5時55分 に基山PA(33km)でラミーのための小休止。6時ちょうど出発、6時20分に金立SA(62km)で再度休憩、運転を交代し32分出発、7時2分嬉野IC(108km)で一旦高速を降り、ETCカードを差し替えてすぐに高速道に戻る。

 7時20分大村IC(132km)で高速を降り、コンビニで軽食を仕入れる。ここから444号線で黒木渓谷を目指す。この道は、以前、経ヶ岳に上った時と同じコースである。黒木に着くも、多良岳の登山口の案内がない。駐車場におられた方に聞くと、少し戻ったところに林道があり、そこが目指す八丁谷への林道であった。( この道に入る案内がないので、初めての人には全くわからない道である。)
 7時55分、駐車スペースに車を止める(146km)。ここには駐車場の案内があり、ここは第2駐車場で、更に先に第1駐車場がある。黒木の駐車場は第3駐車場とされていた。 ここも既にほぼ満車状態である。

 支度を整えて、8時10分に出発 、しばらくは舗装された林道を登っていく。33分に林道から右手にある登山道へ、林道を直進すると経ヶ岳に向かうことになる。登り道が続き、暑さもあって結構ハードに感じる。それでもラミーは元気に登っていく。9時20分に水場に着き、ここにオオキツネノカミソリが群生していた。しばらく撮影に忙しい。

 更に登り続けると、10時10分にやっと有名な斜面一面の群生地に着いた。開花状況は6分咲きといったところで、来週が最高の見ごろかとも思われる。それでも十分に見ごたえはあった。

 小学生を引き連れた一団が登ってきた。一人の男の子が「ここから帰りたい。降りる道はないのか?」と先生に聞いている。「登ってきた道を降りるしかないよ。」と先生が答えている。 案内する先生も大変なようだ。

 10分ほどで出発、22分に「西野」に着いた。ここから右に行けば「五家原岳」、左は「金泉寺」との案内がある。金泉寺までは0.5kmとの案内。ここからは平坦な歩きやすい道で、すぐに金泉寺に着いた。ここで人が大勢くつろいでおられる。金泉寺再建のための募金案内があったので、少し寄進する。このお寺は長崎県に位置するので、募金の事務局・実行委員会は諫早市にある。金泉寺は9世紀初頭に弘法大師が開いたと伝えられているが、建物や中の仏像が傷んでいるために、再建しようと立ち上がられたものである。
 なお、民謡の「岳の新太郎さん」がこの金泉寺に由来していることを、金泉寺再建のパンフレットで初めて知った。 この歌は、金泉寺の「新太郎」という名前の修験僧を麓の娘たちが恋いこがれて歌ったとのこと。山は女人禁制のため新太郎が降りてくるのを待ちわび、降りてきた時は登山道に水をまいて滑って寺に帰れないようにしたという。

 10時57分、階段を上り、岩場を登っていくと、11時20分に山頂に着いた。部分的に見晴らしはきくものの、全体的には樹木で視界がさえぎられている。経ヶ岳ははっきりと見えている。

 少し休憩する。次々に登ってこられて、皆さん休憩されていく。ここで場所をあけてやるために46分に出発し、金泉寺まで戻って食事にすることにする。12時12分お寺についた。相変わらず大勢の人がくつろいでおられる。
 ビニールシートを敷き、靴を脱いでくつろぎ、食事にする。

 12時57分出発、13時4分に西野着、33分に水場群生地着、光線の角度が変わっているので、更に写真に撮る。14時3分に林道へ出て、25分に駐車場へ着いた。

 汗を拭いて、上から下まで全て着替える。これで少しすっきりする。 
 14時35分に出発。55分に大村IC(160km)通過、15時16分、川登SA(190km)で小休止。32分、出発。15時56分、佐賀大和IC(225km)で高速を降りて、帰りは三瀬峠越えで帰る。ラミーも疲れているようすで、車に酔うことも忘れて、時々ためいきをついている。16時57分、無事帰宅した。総走行距離は267kmになっていた。
 

 登り(ゆっくり);3時間10分  下り: 1時間30分
※ 登りは多少多目の休憩と、オオキツネノカミソリの撮影時間も含んでいるので時間がかかっている。