【 三  俣  山 】  1,745m

〜平成18年4月30日〜

 今年のゴールデンウイークは祭日がうまく配置されて長期の休みになった。1日は勤務先が創立記念日で休みになるので、2日の火曜日を休めば9連休になる。
 しかしながら、日頃、忙しい皆をできるだけ休むように指示したので、この日は出勤する。よって、3連休と5連休となった。

 この連休を利用し、3連休では久住連山の三俣山に登り、5連休では日本百名山に名を連ねる「祖母山」に登ることにした。インターネットでなんとか高千穂峡に宿を確保する。

 4月29日土曜日、天気はいい。今日は三俣山に登る。この山はいつも横目に見ながら久住山や平治岳に向かったり、あるいは遠くから遠望を楽しんでいるのみであり、登るのは初めてである。

 朝、7時半過ぎに家を出て、長者原に着いたのが9時40分であった。 2時間程度のドライブである。今回も飼犬のラミーを連れてきたので、SAやPAで止めたり、途中も少々ゆっくり走った。
 「長者原ビジターセンター」に車を止めて、早速身支度を整えて登山を開始する。駐車場はほぼ満車の状態であった。勿論、離れた駐車場は十分余裕があった。

 友人の清島君から「三俣山の登山道は車でかなり奥まで行ける。」と聞いていたが、そこまで車で行くと戻ってくることになるので、今回は長者原ビジターセンターに車を止めて、ここから「すがもり越え」を経由して「西峰」、「W峰」、「主峰」、「南峰」と制覇し、 ここから「雨ヶ池」に降りて、「長者原」に戻るループで行くことにした。

 三俣山はどこから見ても三つの峰に見えることから「三俣山」と呼ばれるが、実際は5つの峰からなる山である。従って、今回はこの5峰の内の4峰を制覇することになる。残るは「北峰」であるが、ここはまあよしとしよう。

 10時05分に登山を開始し、ビジターセンター右横の車道を歩いていく。とにかくしばらくは真っ直ぐな舗装道路である。若干の勾配はあるもののとにかく真っ直ぐである。

 しばらく行くと土石流で相当に破壊された箇所にでた。ここから上も治水工事をあちこちで行っているとの表示があった。ひたすら登っていく。 左手に「指山自然観察ルート」があり。昨年7月の豪雨による被害の復旧工事が行われていた。

 やがて大きなダムが目の前にあった。10時40分、ここも今回の工事で新しく建造されたばかりのダムである。まだ水も貯まっていない。ダムを回り込むと、道路右手に「すがもり越え」との矢印があった。ここから山道に入る。この道も被害を受けているようで、この先が心配である が、とにかく進む。

 しばらく沢沿いの道を登っていくと、やがて広々とした草原に出る。ここを歩くのは気持ちがいい。すぐ左手に三俣山があり、先の方には硫黄山の噴煙が立ち上っている。

 少し登りかけた所に看板があり、「この先30メートルの区間は落石 等発生しやすい場所です。災害から身を守るため、休憩・休息等することなく登山しましょう。【大分西部森林管理署】」と記載されていた。崩壊のために立入禁止かと思った が、そうではないので安心する。すぐ先で工事の音がしている。よってここで小休止する。ちょうど11時になっていた。
 先日、タケノコ堀りにおじゃました久山の友人の善生君の裏山からちぎってきた甘柑を食べる。あまりにすっぱかったので家では蜂蜜につけて食べたが、山で食べると むしろそのすっぱさが美味しく感じられる。

 休憩後登り始めると、工事中ではあったが、立派な防護壁と登山道が出来ていた。山の中にはもったいないような出来映えの登山道である。硫黄山が目の前にあった が、噴煙が心配になる。ガイド本でもここは「ガスに注意」と書かれていた。しかし特ににおいもないようなので、そのママ進む。夫婦連れが逆方向から降りてこられたので、「ガスは大丈夫でしたか」と聞いたら「全く 心配ないですよ」との答えが返ってきた。

 硫黄山の手前で、岩に黄色のペンキで矢印が書かれている。硫黄山のガスのためというよりも、道が崩壊しているためのようである。案内に従って進む。ここでは前後に10人ほどの登山客が集まった。

 やがて登り詰めたところが「すがもり越え」であった。石積みの避難小屋がある。釣り鐘があった。この鐘は濃霧の時などに、小屋の場所を知らせるための鐘とのことである。

 ここで休憩をしている人も多く、遠くに大船山が見えている。その左手にあるはずの平治岳まではみえない。休憩して登り始める。まず「西峰」に着く。既に12時 40分であったが、もう少し先まで行って食事にすることにする。

 つぎに「W峰」に着く。女房が少し膝を痛めたようなので、ここで食事をすることにして、休憩をかねることにする。岩陰に風をさけて座り込む。ラミーも疲れたようである。熱い味噌汁がおいしい。 小一時間ほどの時間が経過した。

 目の前に聳えるのは「南峰」であるようで、主峰は、どうも手前左手の山のようである。3人組のいかにもベテランとみえる方々が登ってこられたので、「三俣山山頂はどこで しょうか」と聞いてみると。「ここは山頂はないんですよ、5つの峰があるだけです。」との答えであった。「いや、一応、三俣山の標高も記載されているので、最も高い峰が山頂になるのでは」と問いかけると、おもむろに地図を取り出して確認してくれるも明確ではない。一応、手前の山かな?ということで、こちらの推測どおりであった。確認しなくてもよかった。

 手前の峰に登ってみる、14時ちょうど、すぐに到着し、夫婦連れの方がおられたので、ここが山頂ですかと聞くと、そうですねとの答えであった。「三俣山山頂」との表示もあるが。標高は1,745mとなっていた。ガイド本によると山頂は1,747.7Mとなっている。他に山頂があるのか?

 ここから「南峰」に向かう。14時20分着、ここにも夫婦連れがおられた。最近は熟年登山が多いが、夫婦連れも本当に多く目に付く。二人で同じ趣味を持って楽しめるのはいい。自ずと語らいの時間もできる。

 ここから「雨ヶ池」に降りるが、南峰から「坊ガヅル」を見下ろし、「雨ヶ池」に降りる道を探すも、表示はなく、かなり急勾配な感じで下に向かっている道がある。少し降りかけたが、坊ガヅルに降りると困るので、南峰を登って来るときに「雨ヶ池」へとの表示があった道に戻ることにする。確かな道を行く方がいい。

 ここは、やぶこぎの道であり、足に木の枝がからみつくところもある。また結構勾配がきつく、直に降りていく感じの道である。ここを登るのだけはごめん蒙りたい。

 やっと小池についた。またここで小休止する。ラミーもさすがに疲れたようで、池の縁にごろりと寝ころんでいる。善生君のすっぱい甘柑と熱いコーヒーがおいしい。

 16時を過ぎた。日が暮れては大変である。ここから長者原へはまだ1時間と書かれていたので、我々の足では90分ほど見ていた方がいい。早々に休憩を切り上げて出発する。小池からはテープを確認しながら進んでいくとやがて「雨ヶ池」に出て登山道に合流した。

 雨ヶ池には若い男性が2人と遠くに4人ほどの登山客がこちらに向かわれていた。時間がないので散策は諦めて、そのまま長者原に向かう。途中に、ひどい土石流で荒らされた箇所があった。しかも道はここをロープで下りて、またロープで上がるように案内がある。ラミーは元気にかけのぼって行く。

 後はだらだらと下りの道で、途中に小学校の生徒の一一団が降りていくのが見えた。3人の家族連れがラミーを気にかけながら同行状態で降りていく。「長者原まで1km」との表示があったが、その先には「長者原まで1.1km」との表示が出ていた。降りているのに距離が増えた。

 17時30分、無事「長者原」に着いた。夕方の高原も気持ちがいい。女房が「ソフトを食べたい」というので、せっかく消費したカロリーを気にせずに食べることにする。足湯があった。ここでソフトを食べながら足湯につかる。口の中は冷たく 、足は熱く・・・。

 18時出発、20時ちょうどに家に帰り着いた。走行距離は273kmになっていた。 
 

登り(長者原〜西峰):2時間35分 下り(南峰〜長者原):2時間30分
西峰〜W峰〜本峰〜南峰:1時間