〜〜〜  大分 ・ 国東半島への旅  〜〜〜 
≪ 平成29年11月25日(土)〜26日(日) ≫


 
≪ 11月25日(土) ≫
 

 朝、8時半過ぎに自宅を出発、これから石仏と摩崖仏の里である国東半島に向かう。

 今回は「O型山友会」の例会登山で、明日「中山仙境」をトレッキングすることとしている。
 しかしながら、六郷満山の国東半島で、トレッキングのみではもったいないので、早めに出発し、今日は熊野摩崖仏から富貴寺、両子寺等を拝観して回る予定である。

 「六郷満山」とは、国東に生まれた一大仏教文化圏で、国東半島の山あいに点在する寺院群の総称である。六郷とは、来縄、田染、伊美、国東、武蔵、安岐の6つの郷 をさす。

 固有の神も伝来の仏も共に崇拝する神仏習合は、宇佐ではぐくまれたものである。
 この宇佐神宮の僧侶等の修行の場が「六郷満山」であったので、国東は「神と仏と鬼の郷」とも称される。
 来年、開山1300年を迎えるが、今年登った白山も今年が1300年に当たり、また山陰の大山も来年が1300年に当たるとのこと。歴史上、ちょうどこの頃に開山されたものが多いようだ。

 9時半に大分道の山田SAで小休止し、更に10時半過ぎに由布PAで小休止する。見上げる秋模様の由布岳の雄姿は、いつ見ても新たな感動を覚える。

 ナビどおりに走っていると、速水ICから宇佐別府道路へ入り、大分農業文化公園で高速を降り、11時20分に山香温泉・風の郷に着いた。既に名越さんと根塚さんも見えていた。有働さんが遅れて見えた。 

 レストランで昼食を済ませ、サービスのコーヒーをいただいて12時45分に出発、6分で熊野摩崖仏に着いた。
 ここ熊野摩崖仏には、鬼が一夜で築いたという急な石段があり、その石段を上ると2体の摩崖仏がある。左手に不動王明象、右手に大日如来象である。 国東半島には摩崖仏が多いが、ここが最大のものである。
 六郷満山の「峰入り」の行は、この不動明王の前から出立し、白装束に草鞋、錫杖を手にした行者がほら貝を吹き鳴らして、鋸山を越えて、険阻な山路に入っていく という。像の前にたたずむと、修行僧のほら貝の音が聞こえてきそうである。

 更に石段を少し登って熊野神社まで行くと、見事な紅葉が迎えてくれた。
 登って来た石段を下り、途中から右手に進んで、胎蔵寺に降りてきた。ここで御朱印をいただく。この胎蔵寺は国東で唯一の熊野権現を祀る寺である。山門に立つ仁王像はちょうと驚かれたような親しみやすいお顔をされてい た。

 車に乗りこみ13時35分に出発、6分で真木大堂に着いた。たくさんの案山子が迎えてくれた。11月は富来港から文殊仙寺までの「とみくじ開運ロード」沿線で案山子祭りが行われているので、これに同調しての行事か?
 ここ真木大堂は、六郷満山の本山本寺として、36坊の霊場を有し、七堂伽藍を備えた六郷満山最大の寺院であった。
 約700年前の火災で焼失したが、現在は江戸時代に再建された本堂と収蔵庫があるのみである。
 収蔵庫内には、平安から中世にかけて花開いた六郷満山文化の栄華を色濃く残す本尊阿弥陀如来座像、不動王明王立像等の平安仏が残されている。大威徳明王像は、 火炎をバックに六面六臂六足の像で水牛にまたがり迫力十分であ った。

 案山子に見送られて56分に出発、10分で富貴寺に着いた。ここの駐車場は満車状態で、観光バスもずらりと並んでいた。
 富貴寺は718年創建と伝わる天台宗の古刹で、平等院鳳凰堂と中尊寺金色堂と並び日本三大阿弥陀堂となっている。
 仁王門の仁王像と阿形はどことなくユーモラスな表情であった。大堂の周囲には石塔や石仏も多い。
 人が多く大混雑状態であったので、御朱印をいただき、大堂の写真を撮ってほどほどでここを出る。

 14時23分出発、コットン水車村に着いた。ここでコーヒータイムの予定であったが、出来るだけ早くホテルに入りたいとの皆の要望に応えて、紅葉の写真のみ撮って出発、14時52分に最後の拝観所である両子寺に着いた。
 この両子寺は国東半島の中央に位置するが、瀬戸内海国立公園にも編入されている。
 「全国森林浴の森百選」に選ばれているが、寺域全体のヤマモミジの紅葉は見事であった。

 15時15分出発、一路ホテルを目指す。
 ホテル前でガソリンを補給し、50分に無事ホテルベイグランド国東に着いた。

 部屋に入り、早速ビールで乾杯する。小生としてはまずは風呂に入り、汗を流してすっきりしてからビールといきたいところであるが、気ぜわしいお二人はまずは乾杯だとすこぶる威勢がいい。

 乾杯を済ませて風呂へ。たそがれ時の海を見ながらの入浴というくつろぎのタイムである。
 ゆったりと風呂に入っていると、時間の流れまでゆっくりとなったように思える。 長い人生の中では、このようなゆっくりとした時間の流れに身を任せるのも必要なことのように思われる。

 風呂から上がって、名越さんも加わり、4人でシャンパンで再度乾杯する。名越さん差し入れのつまみがワインに合う。
 4人で飲むからシャンパンもすぐに空いた。続けてワインを飲む。焼酎も始まった。いつものパターンである。
 新たな会則の議論も、原案了承ということで5分で終わった。要は、来年からは「山友会」から「山旅会」と名称を変え、山と旅を合わせて楽しむよりアグレッシブな会へと発展することとなった。

 18時半になってレストランへ。またまた生ビールで乾杯する。
 カロリー過多にならないように、少々抑え気味に料理を楽しんでいく。デザートは全て残す!!!

 19時半からカラオケルームへ。
 ここのカラオケも、点数表示が段々と上がっていくシステムであるが、ほとんどが90点台で、阿蘇のホテル角萬と同じであった。
 お客様サービスはいいが、このカラオケマシンで歌うと自分が歌がうまくなったように誤解しそうである。

 根塚氏がマイクを持って何かがなりたてながらルーム内を走り回っている。これもいつものパターンであるが・・・。

 2時間、歌い放題に歌って部屋に戻ると、皆そのままおとなしく寝てしまった。

 

 
≪ 11月26日(日) ≫


 5時に起きる。早く寝たので寝ざめも早い。最近は早く寝なくても早く目覚めるが・・・。

 根塚氏は昨日のことは全く覚えていないという。さもありなん!!!

 6時半になって朝風呂に入り、昨日の疲れを・・・、いや酔いを醒ます。
 窓越しに見る海は穏やかであった。今日は曇りではあるが雨にはならないようである。

 朝食を済ませ、チェックインも済ませて、7時45分にホテル発、8時35分に中山仙境駐車場に着いた。
 ここで、当日参加の上藤さん、秋山さん、塩月さんを待つ。無事9時半前に全員集合、準備を整えて9時半 過ぎに出発する。

 ここ中山仙境は、夷耶馬に位置する景勝地で、我が国の秘境・絶景の10位にランク付けされている。
 ピークは317mの高城であるが、トレッキングルートは凹凸が多く、変化に富み鎖場も多い。

 ここの駐車場から直登のコースもあるが、フルコースで楽しむために、前田登山口まで車道を歩いていく。
 15分ほどで登山口に着いた。ここで軽くストレッチを済ませて出発する。

 雑木林のなだらかな登り道を過ぎると、やがてアップダウンの厳しい道になる。札所には2体の石仏が祀られているが、山麓の霊仙寺の勘請で、弘法大師とそのお供とのこと。
 
 ところどころにある少しルートから外れた高台に登ると、周辺の山々の紅葉の絶景がパノラマで眺望できた。 

 遠くの岩峰を見ながら進んでいると、夫婦連れではない男女2人組が、道を戻ってきて、この先は崖だったとのこと。周辺を確認すると札所の左手に道があった。こちらが正規のルートのようだ。そのまま歩き進む。

 登山口から1時間少々でやっと無明橋に着いた。思っていたよりも結構な高台にあった。

 この橋は2枚の平石を突き合せただけのものである。上から見ると継ぎ目は分かりにくいが、下から見るとよくわかる。
 この橋の左手は千尋の谷である。注意しながら渡っていく。
 なお、この橋を渡らずに右手に回る安全な道もちゃんとある。

 高城は目の前に聳えている。岩に張り付くように登っていくとやがてピークに着いた。登山口から1時間半ほどかかった。
 それほどのピークではないものの、見渡す周辺の紅葉に彩られた岩峰が更に見事であった。 
 
 今日は登山というよりもまさにトレッキングであるが、秘境トレッキングとはよく言ったものである。 

 山頂には天照皇大神石碑が立っている。皆、写真撮影が忙しい。

 ピークから少々険しい下りになるが、鎖等を利用し用心しながら下っていくと、やがて隠祠に着いた。

 ここを過ぎると緩やかな岩場になるが、苔むした岩が多いので、滑らないように注意しながら降りていく。やがて杉林になり、道もなだらかになってきて下山口が近いことがわかる。

 塩月さんと話をしながら降りてきたが、彼女は毎日曜日、山登りをしているとのこと。小生も今月の紅葉登山は3回目となるが、それを上回る行動であった。まさに山ガールである。
 植物の冬越しについて話をしていると、サンセベリアも持たれていたので、小生の冬越しの方法を紹介しておいた。

 小生保有のサンセベリアには和名「トラノオ」と称される一般的なサンセベリア・ローレンティから、小型のサンセベリア ・ハニー、この斑入り種のサンセベリア・ゴールデンハニー、更に棒状の形状をしたサンセベリア ・スタッツキー、同・パンテス等々で、これらを寄せ植えした鉢が4鉢、ローレンティ単独植の鉢が4鉢とある。定期的に寄せ植えを人に差し上げているが、次々に増えていく。
 これらの冬越しは、寄せ植えはそのまま乾燥保管で室内に置いている。最近は空気清浄効果が認められ室内観葉植物として人気のようである。単独植のものは全て鉢から引き抜き、根を整理して乾燥させ、そのまま新聞紙にくるんで室内のガラス温室内に放置している。温室と言っても保温はしていないので、室内で零度近くになることもあるが、毎年これで冬越しできている。
 サンセべりアはアフリカ原産の植物であるが、比較的に栽培が楽な植物である。100円ショップにも鉢から引き抜いた植物だけの状態で売られているのを見かける。失敗するのは冬の寒い時期に水をやって根を腐らせるくらいのことである。

 話をしながら降りてくると、早くも12時半に無事下山口に降りてきた。車道を歩いて夷耶馬駐車場に戻る。

 ここで皆と挨拶を交わし解散となった。

 ここから小生は、霊仙寺と実相院に向かう。
 霊仙寺はまさに中山仙境を見守っているような場所に位置している。
 境内に立つ大地蔵菩薩は九州では最大のものとされているが、1860年の作である。
 中山仙境を堪能し、無事に下山できたことにお礼申し上げる。

 霊仙寺、実相院ともに声をかけても誰も出てこられなかったので、御朱印は諦めて引き返す。
 
 12時45分出発、ナビをセットすると、宇佐ICから北九州経由の道を案内した。初めてのコースであるが、走ってみることにした。
 今川PAで小休止し、途中、対面通行で気を遣う場所も多かったが、北九州ICからいつもの道になり、快適なドライブとなった。
 16時前に無事帰宅した。 
 
 「O型山友会」も今回で9回目の例会となったが、いつ解散してもおかしくないような会が、よくここまで続いたものである。
 たまたまの山の出会いから始まった集まりであったが、現役女性陣がそれぞれに職務上の責任が増してきたり、家庭の事情等も出てきて前泊が無理となってきたので、今回で一旦閉めることとなった。
 これまで、華やかな山旅の演出をしてくれた女性陣に感謝!

 昨日の新たな会則のくだりでも記載したが、来年からは山と旅をこよなく愛し、それを実際に楽しむよりアグレッシブな会へと発展していくこととなった。
 よって、単なる山の会とは異なることを明確にするために、これまでの「山友会」から「山旅会」へと会の名称も変え、会の目的がより明確になるようにした。

 これまでは現役女性陣に配慮して九州内の山々にしていたが、これからは九州外への遠征も可能となった。
 懇親会の場で、これまでも何度か話題に上っていた四国の石鎚山や山陰の大山が来年のアプローチとなりそうである。
 共に紅葉が魅力的な山であるから、今から楽しみになってきた。