〜〜〜  京都・恒例紅葉旅  〜〜〜 

《 平成27年11月22日(日)〜25日(水) 》 

 〜 11月22日(日)〜23日(月) 〜
 
 22日22時30分、博多駅前から夜行バスに乗り込む。
 息子のリハビリ支援を女房にまかせて、今日から3泊4日の恒例京都紅葉旅に出かけるためである。 紅葉旅は5回目となるが、昨年は12月にライトアップ旅に変更したので、これで6年連続の関西秋旅になる。

 高速バス会社から関西方面への割引き料金での案内メールが来ていたが、3列シートの豪華バスに変更し、京都は満室のため、大阪のホテル泊で申し込んでおいた。料金は2万5千円也。新幹線利用でもこの程度の料金で可能であるが、夜行バス 旅を楽しむことと、夜行バスで行った方が丸々2日間が有効に活用できるのがいい。しかしながら、年齢的にも夜行バスはそろそろ卒業かとも思う。

 博多駅前では、華やかなイルミネーションの下で、イベントがあっており多くの人が集まっていた。
 ワインをしこたま飲んで乗り込んだが、やはり浅い眠りのままで大阪に着いた。
 8時25分、大阪梅田スカイビル着。ビルのトイレで洗面をすませて、阪急梅田駅へ。駅であらかじめ購入していた「スルット関西2dayチケット」でカードに交換し、ちょうど9時発の特急河原町行きに乗り込む。

 終点まで行くと混雑しそうなので、一つ手前の烏丸で9時40分に下車、ちょうど大原行きのバスが来たのでこれに乗り込み、出町柳で下車、歩いて下鴨神社に向かう。

 今回は、これまでにまだ行っていない神社仏閣を訪れる予定である。河合橋を渡って、鴨川ほとりのベンチで一休みする。秋模様ではあるが、寒さは全く感じない。

 下鴨神社の糺すの森は運気アップのパワーポイントとなっており、感動的な紅葉が楽しめるとあったが、今年は全く駄目であった。人は多いが相変わらず中国からの観光客が目立つ。時節柄、神社では七五三のお参りが多く、正装の子供たちが皆神妙な顔をしていた。

 運気アップのみ祈願して、ご朱印をいただき、早々に神社を後にする。
 バスに乗り込み、出町柳に戻る。ここからまたバスで銀閣寺に向かう。バス停は違う通りにあった。11時20分にバスに乗り込み、6分で銀閣寺道へ。
 哲学の道の入り口の川のそばに「そばや」があったので、ここで早目の昼食にする。京都名物の「にしんそば」と「ミニ卵丼」のセットで1250円也。孤独のグルメ風に言うと、「いいじゃないか、にしんそば!」となるのか

 12時ちょうどに哲学の道へ。既に訪れた銀閣寺には立ち寄らず、哲学の道を歩いていく。ここも紅葉は今一であった。法然院へ立ち寄る。ここは無料開放されていたが、山門の紅葉はほどほどであった。
 続いて、住蓮山安楽寺へ。ここも山門の付近の紅葉が有名であるが、全く駄目であった。紅葉が駄目だったので、お寺の説明を少々。法然上人の弟子に、住蓮上人と安楽上人がおられ、この両上人が、後鳥羽上皇に無断で上皇の側近くつかえる女房松虫姫(19歳)と鈴虫姫(17歳)を出家させてしまい、上皇の怒りをかい、共に処刑された。
 法然上人までが流罪となったが、帰京した上人が、両上人の菩提を弔うために、この地に草庵を復興し、「住蓮山安楽寺」と名付けたといういわれの寺である。ご朱印をいただき、お寺の歴史の重さを感じながら13時10分にお寺を出る。

 真如堂前バス停から南禅寺を経由し、東山三条で下車。地下鉄東西線に乗換え、山科着13時55分。ここから歩いて「毘沙門堂」へ向かう。スマホの地図で道を確認しながら進む。曲がり角には道案内があった。 
 15分ほど歩いて、毘沙門堂の階段を上って行く。ここの紅葉はまずまずであった。500円払って中へ入って行く。本堂に上がると、ちょうど若い坊さんが説明中であった。「門跡というのは、天皇家ゆかりということで、全国に30数寺院がある。」という。その後、動く襖絵を見て回り、最後に壁面に「梅にキジ」、「竹林に山鳥(?)」が描かれた部屋に案内された。普通は「梅に鶯」、「竹に雀」であるが、ここでは鳥が合っていない。要するに「トリ会わない」、・・・面談しない客の部屋だという。格式高い寺とはいうものの、 この間に案内された方々の思いが何ともやるせない。

 15時10分発、再び地下鉄に戻り、ここから三条京阪へ。京阪線に乗換え東福寺で下車。日暮れが近く、少々肌寒くなってきた。急ぎ足で東福寺に向かう人々を右手に見ながら左に曲がっていく。16時ちょうどに泉湧寺道へ。15分に「今熊野観音」に入って行く。ここは無料開放されていたが、紅葉は全く駄目だった。
 おまいりのみして、更に暗くなってきたので、急ぎ泉湧寺へ。25分着。ここも紅葉は駄目であった。今年の京都は全く感動するところがない。

 17時に駅に戻り、準急がきたのでこれに乗り込む。準急では時間がかかるが、急ぐ旅でもなし、のんびりと乗客の乗り降りを楽しむのもいい。相変わらずスマホに熱中している人も多い。こちらもスマホの音楽を楽しむ。  

 18時10分淀屋橋着。地下鉄御堂筋線に乗り換えて梅田へ。巨大な大阪駅構内をしばらく散策してホテルへ。19時ちょうどに駅前にあるハートンホテルにチェックインする。  

 顔を洗って、食事へ駅に戻る。ビールが飲みたいので、串揚げ店がいいかとも思ったが、トンカツ専門店のカキフライが目についたのでこの店にし、トンカツに海老フライ、カキフライのセットを注文する。
 生ビールがお腹にしみる。歩きまった後の至福の時間である。万歩計のカウントは2万5千歩強となっていた。
 ビールの後、ワインを飲もうかと思ったら、ワインは置いていないと言う。冷酒もないようなので、止むなく焼酎にする。女の子が「キャベツのおかわりは?」とのことで有難く追加をいただく。

 今日の京都の紅葉は毘沙門堂以外はどこも全く駄目であった。
 平地はどこも同じだろうから、明日は予定を変更し、久しぶりに高地にある高雄へ向かってみよう。
  
 

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11月24日(火)〜25日(水) 〜


 6時起床、30分にホテルをチェックアウト、時間節約でコンビニで軽食を調達し、 車内で朝食とする。車内での飲食がどうなのか気になったので発車前に食事を済ませた。
 7時16分発の快速急行で京都烏丸へ。8時23分発の高雄行きのバスに乗り替え、高雄着9時15分。
 バスを降りて、歩きかけると中国・北京からの女性二人連れ観光客に声をかけられた。「紅葉はどこか?」との質問、そこに香港から見えた男性二人が見え、その内の一人が少々日本語が理解できる方であったので助かった。  

 ここではお寺の紅葉が有名で、これから高山寺から神護寺に向かうので一緒にどうかと言ったら付いてくると言う。
 バス停におられた地元の男性に聞くと、「今年は雨が少なくて紅葉が駄目だ。」とのこと。

 高山寺に向かう途中で、神護寺への左手の道を4人に確認させる。
 高山寺に500円払って入って行く。ここも残念がら紅葉は駄目であった。それでも女性二人はあまり綺麗ではないが紅葉した葉がチラチラ舞い散る様子に感動の風であった。

 ここは「女ひとり」で、「♪〜 京都、栂ノ尾高山寺〜 ♪」 と謳われており、世界遺産ともなっているが、お寺として立派な建物があるわけでもなく、本堂に上がれるわけでもない。このため、「ここは何故500円も払わなければならないのか?」と香港の男性に聞かれて返答に困ってしまった。 単なる入山料といっても納得できないだろう。ここには漫画の原点と言われる「鳥獣人物戯画像」があるが、石水院に入るためには、別途600円払わなければならない。

 10時過ぎに、4人とはここで別れ、紅葉が駄目なので西明寺はカットし、神護寺へ向かう。
 10時30分、神護寺の長い階段を上って行く。お年寄りの方が、休み休み登っていかれる。「お先に!」と声をかけて登っていく。

 ここは他に比べるとまずまずの紅葉ぶりで、同じ500円でもほどほどの紅葉を楽しめた。
 紅葉が綺麗であれば、前回来た時と同じように清滝川沿いの東海自然歩道を歩いて下りたいが、今年は紅葉が駄目なので、バスで戻ることにする。11時54分発 で、発車まで時間があるため、階段の途中にある高山茶店で「栗ぜんざい」をいただく。
 ぜんざいを外で食べるのは、かなり昔、福岡の川端商店街で「川端ぜんざい」を食べて以来のことである。

 少々の紅葉を眺めながらのぜんざいも風情がある。栗以外に餅が2個も入っていた。茶店の中では、店の老人夫婦が楽しそうに会話されていた。
 
 定刻にバスに乗り込み、太秦天神で下車、嵐電に乗換え、12時40分に嵐山に着いた。
 とりあえず、前回見つけた隠れ茶屋の「よしむら」に向かうと、前回はガラガラであったが、今回は10名ほどの行列ができていた。いつの間にか有名店になってしまったようだ。店主に挨拶したかったが、ここを諦め、ぜんざいの餅2個で小腹は満たされているので、食事は抜きとする。      

 天龍寺を拝観して横に通り抜け、まずは平家物語ゆかりの祇王寺へ。13時25分着。
 ここには平清盛の寵愛を受けていた祇王と妹の祇女、その母、及び仏御前が祀られている。平家物語の巻第一にこの物語があって、平清盛の前に仏御前が現れ舞をお目にかけたいという。清盛は断ったが、祇王がとりなし、舞を舞うことになったところ、清盛がすっかり仏御前を気に入り、逆に祇王は館を追い払われてしまった。祇王は母と妹と共に出家しこの草庵で仏門に入るが、そこに仏御前が祇王の不幸を無情に感じ、断髪して訪れてきたという。この時、仏御前は17歳であったという。竹林の草庵がいかにも物哀しく感じさせられる。 

 ここを出て、次に二尊院へ。14時10分着。
 ここには本尊として、「釈迦如来」と「阿弥陀如来」が祀られていることからの銘々である。紅葉はまずまずで、少々楽しめた。

 二尊院を出て常寂光寺に向かったが、ぞろぞろと行列ができていて、境内を覗くとそれほどの紅葉でもなかったので、ここはカットする。

 14時45分、天龍寺北門から中に入って行く。「紅葉は見頃」と看板があったが、ここもほどほどであった。今年は京都全体が紅葉は駄目であるようだ。更に100円を払って本堂に上がっていく。座り込んで庭を眺めながら、しばらくくつろぐ。庭先では中国語が行き交っている。

 夜行バスは21時20分発なので、夜のライトアップに青蓮院門跡(青のLEDで彩られた苔庭は幻想的)を候補に挙げていたが、今回は紅葉の感動が全くなかったので、紅葉旅はこれで終わりとし、次回の楽しみに残す。

 昼食抜きであったので、コンビニ立ち寄り、缶ビールとつまみを調達し、渡月橋が見えるベンチに座り込んで、小休止する。着物を着た若い女性も多く、嵐山を楽しんでおられるようだ。

 この渡月橋の下流が桂川、橋の部分は大堰川、更にその上流が保津川となる。橋を渡る人も多い。

少々風が出て来たので、ここから京都駅に向かうバスを待つ。30分ほど経ってやっとバスが来たが、嵐電にすればよかった。16時10分にバスに乗り込み、太秦天神で乗換え、地下鉄東西線で京阪三条へ。ブックオフに入りこみ、しばらく店内を楽しむ。

 17時半に地下鉄にて京都駅へ。高速バス乗り場を確認し、おみやげを物色、京都名菓の詰め合わせと、定番の生八橋・秋味を購入、食事を場所を探す。駅構内のレストランはどこも人が多い、駅前に出て駅前のビルの地下にあるレストラン「ダイニング」に入る。この店はアルコール類等の飲み物から食事のメニューまで全てが390円という変わった店であった。また孤独のグルメが始まる。
 生ビールにつまみとして鴨ロースとオムレツを注文、焼酎を追加、豚角煮を追加、焼酎を追加、ミニツナドリアで締めとした。勘定は時間が早かったからか、生ビールは更に半額となっていて、計2,319円と格安であった。

 駅に戻り、トイレを済ませて乗り場にてバスを待つ。ほろ酔いでバスに乗り込み、定刻に出発、スマホで音楽を聞きながら、今回の旅の余韻にふける。紅葉は今一であったが、京都をブラブラするのは楽しい。すっかり土地勘もできて迷うようなこともなくなった。夜行バス旅は卒業するとしても、京都へは毎年来たいものである。

 2日間(2日目は32,100歩)の歩き疲れとほろ酔いのおかげで、来る時よりも熟睡できたようだ。
 SAに3回立ち寄って、8時ちょうどに福岡キャナルシティ前に着いた。ここで降りて女性の運転手さんに「お疲れ様でした。」と声をかけて、地下鉄に向かい、迎えに来てくれた女房の車に乗って8時半過ぎに無事帰宅した。 

 明日には今年一番の寒気が降りてくるようだ。京都の紅葉は駄目であったが、やっと秋から冬の気配が近づいてきたようだ。

 今年は感動するような紅葉の写真がなかったので、我が家で咲いた「ホヤ・カルノーサ バリエガータ」(和名サクララン)の華麗なる花をご観賞のほど!!!