〜〜〜  仙 台 ・ 松 島 1 泊 の 旅 〜〜〜 

《 平成21年12月1日〜2日 》 


〜12月1日・火曜日〜

 10時15分、福岡空港発にて仙台へ。
 広島市上空から日本海へ抜けて、佐渡島から大きく右に方向を変えて仙台へ向かう(との機内案内)。進行方向に向かって左側の席であったため、下に見えるのは日本海のみである。

 今回の旅は、先日行った近所にある焼鳥屋で、そこのマスターと話をしている時に、話題が牛タンの話になり、急きょ、「仙台へ牛タンを食べに行くか!」となったものである。
 カナダ旅行で獲得したマイレージが二人分で3万マイルある。このうちの17,000マイルを使用し、「おとくdeマイル」(二人分の往復航空券) で行くため、福岡〜仙台間の旅費は無料になる。
 カナダのマレージ分は、あと1回利用できるので、可能であれば、JALが来年6月に路線廃止を打ち出した「松本空港」へいくこととし、 時期的には立山黒部アルペンルートが開通する5月としたい。

 日本海に突き出した能登半島が見えてきた。更に佐渡島が見えてきた。ここから大きく右に曲がって、新潟上空を通り仙台に向かうことになる。眼下に大日岳(2,128m)、飯豊山(2,105m)、遠くに朝日岳(1,870m)、はるかかなたに月山(1,984m)等々の雄姿を眺めることができる。蔵王山(1,841m)の上を飛ぶ。蔵王の 見事な「お釜」が真下に見えている。

 日本列島を横断し、大きく海に出て、それから旋回して仙台空港に着陸する。少し飛びすぎではないかというくらいに大きく海に飛び出す。

 仙台空港で、案内板に「鉄道駅」方面へとある。普通であれば「JR線」とか「JR・仙台空港駅」とかの表示をしそうであるが、「鉄道駅」とは 何ともストレートな表現である。これもお国柄か。JR駅で「仙台まるごとパス」(2日間近郊JRバス乗り放題)を購入し、12時33分発で仙台に向かう。

 仙台駅に着いて、そのまま駅構内3階にある「牛タン通り」に行き、「伊達の牛タン」の店に入る。注文したのは、前回来た時に食べた「厚切り芯タン定食ミックス」、塩味とみそ味の それぞれのタン焼に牛テールスープが付いたものである。相変わらず食べ応えがあって、味も最高の牛タンであった。これで目的は達したことになるが、このまま帰るのももったいないので、松島に1泊することとした。

 すぐに13時58分発の快速で仙石線・松島海岸駅に向かう。14時33分着、駅前で15時発の「島めぐり観光船」のチケットを購入し船着き場に向かう。冬場とはいえ、絶好の観光日和であり、空と海が青さを競い合っている。

 600円追加して2階のグリーン船室へ上がる。少し寒いかなと思ったが、日本3景の松島に敬意を表して、オープンデッキで景色を楽しむことにした。

 船出とともに松島の観光案内が始まる。特徴的な小島には名前がついており、それを解説される。特に集中して聞くでもなく、むしろ流れ行く自然の景観をそのまま楽しむ。

 かもめが船と一緒に飛び交っている。餌付されているようで、女房が差し出す「エビセン」をスーと飛んできて咥えていく。まるで時間が止まったような、見事な滑空もみせている。

 九州には島が多い。よって見事な島々の景観は見慣れている。そのせいか、さすが「松島」というほどの感激はなかった が、天気にも恵まれ、空と海と島々のバランスは最高で、心安らぐものがあった。

 50分ほどで港に戻る。船を下りて、近くにある「五大堂」に立ち寄り、本日の宿に向かう。海沿いに歩いていくと、福浦島があって福浦橋で結ばれている。この橋は出合橋と呼ばれている。その先に階段があり、案内をみると「絶景の館へ」とあった。ここを登っていく。まだ16時少し過ぎであるが、フロントで早めのチェックイン をする。部屋に案内されると、窓の外全面に松島が広がっている。

 少し休んで近くを散策に出かける。既に日はたぷりと暮れている。福岡に比べると日の落ちるのが1時間以上早いようだ。しかも、「みちのく伊達正宗歴史館」も「 松島さかな市場」も既に閉まっていた。閉まるのが早すぎる!

 宿に戻って、ゆかたに着替え温泉に入りに行く。露天風呂があって、松島を眺めながらゆったりとくつろぐ。宿泊客は18組ほどあったが、まだ温泉には誰もいない。松島の風景を独り占めしながら、 ゆったりとした時間の流れを楽しむ。
 
 夕食にまた牛タンが出た。昼間の芯タンとは異なり、これは薄い肉で、これを石焼きで食べる。冷酒がうまい。冷酒は、「浦霞禅」、「日高見・吟醸」、「一ノ蔵・大和伝」3種の飲み比べセットを楽しむ。どの酒も美味であった。 

 テレビでニュースを見る。今日の日経平均は朝安で始まっていたが、午後から一気に上げ、200円を超える上げで引けていた。何か株価が好転する動きがあったなと思っていたら 、日銀がデフレ、円高、株安対策で新たな量的緩和策を打ち出していた。政府がデフレ宣言しても日銀は静観していたが、これでやっと政府との歩調があったことになる。発表内容は、@短期金融市場向けに年利0.1%で3カ月の資金を貸し出す、A10兆円規模の資金を市場に供給する、というもの。日銀は、これは一応 、追加金融緩和策であると称している。  

 このニュースで、為替が円安に向かい、株価も一気に好転したようだ。このままではすぐに冷めそうなので、これに加えて、政府が新たな景気支援策を打ち出してくれることを強く期待したい。

 食事を済ませて、また、温泉に入り、缶ビールを飲みながら、月明かりの松島の景観を楽しむ。


〜12月2日・水曜日〜

 6時に起きる。カーテンを開けると外はほんのりと明るい。 洗面をすませ、椅子にくつろぎ、日本3景の夜明けを楽しむ。しばらくすると朝日が顔を出してきたので撮影に忙しい。モードを変えながら次々に撮影する。

 朝食を済ませ、宿の支払いも済ませて、歩いて伊達家の菩提寺である瑞巌寺に向かう。現在、本堂は大々的な修理工事中であり、本来、本堂にある伊達家代々の立派な位牌は大書院で公開されていた。 狭いスペースに大きな位牌が並べられているので、圧倒されるような、一種独特のふんいきが感じられる。

 すぐ隣にある円通院にも立ち寄る。ここは伊達正宗公の嫡孫「光宗君」が祀られている。紅葉の名所にもなっていて、既に見頃は過ぎているものの、まだ見事な紅葉の名残が各所に残ってい た。 

 急ぎ「松島海岸駅」に向かう。9時35分発で仙台へ。10時10分着、荷物をコインロッカーに預け、「るーぷる仙台」のレトロバスに乗って「瑞鳳殿」に向かう。

 「瑞鳳殿」は伊達正宗公の霊屋(おたまや)であり、桃山様式の豪華絢爛な建築物で、国宝にも指定されている。資料館には発掘された骨からの復元像があったが、身長は159pと小柄であった。

 また「るーぷる仙台」に乗って、仙台城址へ向かう。 ここは仙台市が一望に眺められる高台にある。伊達正宗公の騎馬像があるが、左手の方が開けているのに、何故か見晴らしが悪い右手を向いている。

 仙台城跡を後にして、「るーぷる仙台」にて仙台市内を観光しながら仙台駅に向かう。途中に、東北大学の広大なキャンパスが広がっている。

 駅に着いて、コインロッカーから荷物を引き出し、そのまま空港に向かう。 空港でレストラに入り、軽くサンドイッチとコーヒーを頼み、帰りの飛行機の時間を待つ。

 窓の外を眺めながら、もう、仙台に来ることもないかなとふと思い、伊達正宗公にお別れの挨拶をする。