〜〜〜  ド イ ツ ・ ワ イ ン  〜〜〜  


 
1892年、ドイツに「ワイン法」制定・施行される。(1971年「ECワイン法」制定に合わせて大改正)
 ※ ECワイン法は地域指定優良ワインとテーブルワインの2ランクに分類している。

  ぶどうの主な品種について(栽培面積順) ドイツでは約85%が白ワイン用。
   【白ワイン用3大品種】 @ミュラー・トゥルガウ、Aリースリング、Bシルファーナー
   【赤ワイン用3大品種】 @シュペートブルグンダー、Aポルトギーザー、Bトロリンガー

 ワイン法では、ドイツワインとして認められるためには、@ぶどうが100%ドイツ産であること、Aワイン畑として認められた畑であること、Bぶどうの品種が認可されたものであること 、が条件になっている。



【ドイツワインの産地】

@ モーゼル川沿線 ; モーゼルワインは緑色の瓶に詰められる。ドイツワインの逸品を多く産する。ぶどうはリースリングでさわやかな白ワイン。

A ライン川沿線 ; ぶどうはリースリング、ここもドイツワインの銘品が多い。熟成させると更に味わい深いワインに仕上がる。 モーゼルワインよりも濃厚な味わいのワイン。

B ファルツ地域&ラインヘッセン地域 ; 「リープフラウミルヒ」で有名。手軽なワイン。ヘッセン地域はドイツ最大のぶどうの産地である。

C フランケン地域 ; 「シュタインワイン」と呼ばれる。ボトルに扁平方の「ボックスボイテル型」を使用。シュタイン畑から最高品質の辛口ワインが生まれる。

  

【ドイツワインの格付け】

 絞りとられたぶどうの糖度(エクスレ度)や摘み取り方等によって等級が付けられている。 よって、等級が上がるほど糖度も上がるので、高級ワインほど甘いということになる。

@ ドイチャー・ターフェルヴァイン : いわゆるテーブルワイン 。100%ドイツワインで生産。他の国のワインを混合する場合は、「ドイチャー」が付けられない。

A ドイチャー・ランドヴァイン : 法律で指定された地域で生産されたいわゆる「地ワイン」。

B クヴァリテーツヴァイン・ベシュティムター・アンバウゲビーテ(QbA) : 生産地限定ワイン。中級クラスワイン

C クヴァリテーツヴァイン・ミット・プレディカート(QmP) : 高級クラスワイン、「プレディカート」とは肩書きのこと。よって、    「肩書きを持つ 高級ワイン」の意味になる。名前が長いので「プレディカーツヴァイン」と略される。

 QmPは更に6段階にランク付けされる。

@ カビネット : 熟したぶどうを醸しているので、エレガントで軽口なワインに仕上がっている。

A シュペートレーゼ : 「遅摘み」の意。できるだけ遅摘みして糖度を上げたものを醸したもの。しかしながら、糖度さへ基準をクリアしていればいいので、必ずしも「遅摘み」でなくてもいい。

B アウスレーゼ : 「房選り」の意。完熟した房を選別して摘み取ったものを醸したもの。

C ベーレンアウスレーゼ : 「粒選り」の意。完熟した粒、あるいは貴腐菌(ボトリティス・シネレア菌)がついた粒のみを選別して摘み取ったものを醸したもの。いわゆる貴腐ワイン。

D トロッケン・ベーレンアウスレーゼ : 貴腐菌がついた粒で、更にほしぶどうのようになった粒を選別して摘み取ったものを醸したもの。世界3大貴腐ワインのひとつ。

E アイスヴァイン : 摘み取りをできるだけ延ばし、厳寒期になって凍り始めた実を選別して摘み取ったものを醸したもの。摘み取った粒は凍ったままプレスしなければならない。超甘口のワインになる。
  

 クヴァリテーツヴァインの鑑定は、@色、A透明度、B香り、C味でなされる。いずれも最低点数が決められており、全てこれをクリアしなければならない。また総合得点によって、QbA:11点、QmPはカビネットからトロッケン・ベーレンアウスレーゼまで、各13点から17点以上となっている。

  トロッケンとは「辛口」の意味、ハルプトロッケンは「半辛口」。 では、「トロッケン・ベーレン・アウスレーゼ」とは?これは貴腐ワインで相当に甘口のワインであるが・・・。

  アルコール度数
  QbA ; 7.0〜12.0
  QmP カビネット ; 7.0〜11.5
       シュペートレーゼ ; 7.0〜13・0
       アウスレーゼ ; 7.0〜11.0
       ベーレンアウスレーゼ ; 5.5〜10.0
       トロッケンベーレンアウスレーゼ ; 5.5〜9.0

 上記のとおり、アウスレーゼ以上はアルコール度数は低くなっている。このことは、糖度が高いと酵母の働きが鈍くなって、アルコール発酵が抑えられていることになり、結果としてかなりな糖分がワイン中に残留していることになる。なお、QbAワインのアルコール度数が高いのは補糖によりアルコール発酵が増加するため。(QmPには補糖は許されない。)