6月14日(火)

 〜  「Brexit」恐怖! 〜

 
  「Brexit」(ブレグジット)とは英国と離脱を組み合わせた造語である。

 来週23日に英国で国民投票が行われ、EU離脱か残留かが決まる。
 何故、離脱なのか? 英国が「移民・難民をこれ以上受け入れ難い。」というのが理由である。英国は社会保障が充実しているので、これ以上移民等が増えると財政的に困難になってくるため、税金が増え、更には失業のリスク、治安の悪化等が起こるからというもの。

 では、実際に離脱すればどうなるのか? まずは欧州市場はロンドンを中心に回っているので、これが不可能になり、英国内に拠点を置く金融機関がロンドンから出ていくことになる。この失業者が95万人と言われている。
 また、英国の通貨であるポンドは信用力を失い、結果として英国経済に悪影響を及ぼすことになる。これがEUにも波及し、EU全体の経済も悪化してしまう。

 我が国にとっては、英国内に進出している企業は931社ある。英国の経済が悪化すればこれらの企業へも影響を及ぼし、またEUの景気悪化によって日本経済の景気悪化もより深刻となってくる。

 もう一つの大きな懸念は為替である。ユーロ安によって円高が一段と加速することになり、結果として更に株価が下落することになる。
 既に、日本市場は今回も相変わらずの過剰な反応を示し、株価が下げ止まらない状況となってきている。

 今週は日銀の金融政策決定会合が開催される。海外勢からアベノミクスが失望された現段階で、追加金融緩和策を打ち出すには絶好のタイミングではあるが、「Brexit」へのリスク管理の動きでその効果がすぐに消滅するかもしれない。よって今回は現状維持とし、7月に実施した方がより効果が期待できる。

 果たして、日銀はどのような決断を下すのか?