〜〜〜  中 国 旅 行  〜〜〜 

《 平成26年7月18日(金)〜23日(水) 》 


〜 はじめに 〜

 毎年、 春と秋に10日間程度の海外旅行を続けているが、たまたまいずれは行きたいと思っていた中国・九寨溝と黄龍へのツアーパンフが送ってきたので、これに申し込んだ。
 まさに思い付きの海外旅行であった。

 

《 平成26月7月18日(金) 〜19日(土)・1日目〜2日目 》 


 
真夏に長期に留守にするのは、鉢植えの植物群にとっては大変迷惑な話である。
 それでも、いつものように乾燥に弱いブーゲンビリア等には腰水処理を施し、相当の水を欲しがる地植えの瓢箪には息子に水やりを頼んだ。

 今日から6日間、中国の奥地、四川省にある待望の九寨溝と黄龍への旅に出かける。
 ここは海外からの旅人のみでなく、中国国民も一度は行きたいと願っている絶景の秘境である。これから秋の時期が水量も多くベストシーズンとなる。

 今回の旅は福岡から6名、関西から20名の混成メンバーで、添乗員は関西からの高橋さんという女性であった。福岡からのメンバーは4人家族での参加で、ご主人は福岡での単身赴任中で、奥さんと華やかな娘さん二人は鹿児島からの参加とのこと。何と、ご主人は我が家から5分ほどの所にある会社の寮で生活されているという奇遇であった。

 11時35分発で福岡空港から1時間40分で上海へ。上海で入国審査を受け、関西組と合流し出発が少し遅れて、約3時間で21時40分に成都へ。(時差-1時間)
 荷物を受け取って、バスでホテルに向かう。23時15分に無事ホテルに着いた。
 Wi-Fiはホテルロビーで無料で使用で来た。中国もこの分野での発展は著しいものがあるようだ。

 6時に起き、朝食を済ませて8時に出発、これからバスで九寨溝へ向かう。431kmという長旅で、一部は高速を利用し、3時間ほど走ってトイレ休憩。標高は1500mほどあるようで、外はひんやりしている。
 ひた走る道の両サイドには急激にせり立った山が聳えている。段々と奥地に来ているのを感じる。

 茂県に入ると、交差点で警察官にバスを留められた。臨時のチェックと言われていたが、「この先の公園に立ち寄らないと先に行かせない。」とのことであった。こ の公園でおみやげを購入させたいのか?
 「茂県」とは過去によく聞いた名前であったが、2008年の四川大地震で甚大な被害を被った地区であった。当時、茂県の農家の70〜80%の建物が崩壊し、道路を寸断され、巨大な湖もでき ていた。

 11時50分にレストランへ。四川料理であったが全般的にそれほど辛くはなかった。12時50分出発、まだ半分も走ってきていない。
 14時10分、畳渓海子(湖の低部は地震で堰止められたもの)で休憩、強烈なクラクションを鳴らしながら車が高速で通り過ぎていく。道路を渡るのも一苦労である。30分出発、14時50分に岷山山脈の山間の盆地にある松藩着。ここで古城の散策であるが、同行メンバーのお一人が突然バタンと倒れられた。どうも高山病らしい。現地ガイドの 鄭さんが酸素ボンベを購入してこられ、どうやら気を取り直されたようだ。
 ここは、標高が2800mある。だんだんと登ってきたものの、確かに空気が薄いのを感じる。深呼吸をしながら歩いて行く。街並みはまだ建設中で、看板によると数年後には見違えるような街並みになるようだ。
 
 16時50分出発、17時30分川主寺着、ここのレストランでまた四川料理の夕食。標高が高いので、ビールは控えることにした。日本では山小屋で生ビールを飲んでいるが、明日は更に標高が高い九寨溝の散策もあるので控えたものである。

 18時10分発、渓谷を登っていく。突然ネオンがまたたくホテル街に出た。九寨溝風景地区近くのホテル街で、添乗員の高橋さんによると、2年前にはこんなにネオンは無かったとのこと。ホテルや劇場が並び、数えきれないようなバスがずらりと駐車している。相当の観光客だ。中国も夏休みになって、家族連れの旅行者が多いとのこと。
    
 20時20分、ホテル「シェラトン九寨溝」に着いた。朝、成都のホテルを出てから12時間強の行程であった。 このホテルはチベットコテージ風建築で、国際5つ星ホテルとなっている。 
  

《 平成26月7月20日(日)・3日目 》 

 6時に起き、7時に宿泊している別館1階のロビーへ集合し、歩いて本館のレストラへ行き朝食。
8時にホテルを出発、バスに5分ほど乗って、その後は歩いて九寨溝入口へ。
 九寨溝は岷山山脈の原生林内のカルスト台地に広がる秘峡で、太古の地殻変動と氷河活動で生じた100以上の湖沼(地元では「海子(ハイツー)」と呼ぶ)が点在する。海底には水草や沈積した斑模様の岩石のあり様が透けて見え、陽光によって5色に輝き、神秘的な空間を醸している。中でも、透明度の高い「五花海」の美しさは圧巻である。山の妖精につきまとう悪霊を退治する際、精霊が持っていた鏡が割れ、108の破片となって飛び散り、それが湖沼になったというチベットの伝説を残す珍珠灘、うす暗い湖上に虹色に輝く姿の魔物が住むという長海など、妖怪伝説がある景勝地であるが、展開される絶景は超越した美を呈している。

 今日は2万人を超える観光客の予想とのこと。それでも中は広いので、専用バス(場内に350台保有)で回ることになるが、それほど混まないだろうとのこと。
 チケットを受け取り入り口の列に並ぶ。入り口はディズニーランド並みの混雑である。チケットは大人は220元、シニアは110元、70歳以上は無料であった。
 30分ほど並んで、9時15分に場内専用バスへ乗り込む。今日は観光客が多く、専用ガイドが足りなくて、我々のバスにはガイドがいなかった。
   
 ≪午前中の観光コース≫ 9時50分〜12時20分
  諾日朗瀑布
 ⇒ 鏡海 ⇒ 五花海 ⇒ 熊猫海 ⇒ 箭竹海 ⇒ 珍珠灘 ⇒ 珍珠灘瀑布

 最高の見どころは五花海で、更に瀑布群も見応えがあった。
 どこに行っても中国人が多く、前後左右で賑やかな中国語が飛び交う。
 12時30分にレストランで中華バイキングの昼食を済ませて、13時50分から午後の観光である。

 ≪午後の観光コース≫ 14時5分〜16時20分
  長海 ⇒ 五彩池 ⇒ 犀牛海 ⇒ 老虎海・樹正瀑布・樹正群海 ⇒ 火花海 ⇒ 盆景灘

 最高の見どころは五彩池で、樹正瀑布も見応えがあった。

 今日の事前の天気予報は「曇り時々雨」だったが、青空の下、汗ばむほどの陽気で、期待通りの絶景を十分に堪能することができた。

 16時50分に場内バスを降りて、ツアーバスへ乗り換え、17時10分にホテルに戻ってきた。

 レストランで自由に夕食、ここでやっとビールを飲む。チンタオビール2本で65元、5元はサービス料か?
 久々のビールが美味であった。

 感動の九寨溝観光が終わって、明日はいよいよ黄龍の散策である。  
 

《 平成26月7月21日(月)・4日目 》 

 5時に起き、朝食を済ませて7時15分に出発、途中、道路工事で大渋滞し、ガソリンスタンドでトイレ休憩する。そこの路ばたにエーデルワイスが咲いていた。さすがに高所 (標高3000m)である。
 10時15分にやっと川主寺に着いた。ここで宝石店に立ち寄る。全く感心なし。

 11時10分に出発、ここで酸素缶が支給された。途中、展望台で写真休憩、雪宝頂(5588m)は残念ながら雲の中であった。12時25分、黄龍のレストランで昼食。
 黄龍は岷山山脈の主峰雪宝頂の下、玉翆山の麓にエメラルドグリーンの湖沼が3000余り広がり、絶景を展開している。標高3000m近いところに露出した石灰岩の層に水が貯まってできた珍しい風景で、傾斜に沿って棚田状に水が連続して作った湖沼群である。
 澄んだ水と、水中の藻類、それにつく菌類によって、湖面の色合いがそれぞれ微妙に異なってくる。黄色がかった乳白色の石灰岩からなる石灰華の連なりが、龍が山脈を登っていく姿に、湖沼が鱗のよう見えるが、想像上の龍は、中国では四霊の一つに挙げられ、また黄色は、青、黄、赤、白、黒五色の一つとして、中央、君主、大地などの現す尊い色とされてきた。

 13時10分シャトルバスでロープウェイ乗り場へ。ここでも30分ほど並ぶ。料金は登りは80元(下りは半額)、入場料は100元であった。13時55分、ロープウェイで 結構な勾配をフルスピードで上に上がっていく。
 ここから歩いて散策する。下山しての集合時間は17時15分とのこと。よって、3時間ほどしかない。

 少し歩いての展望台から黄龍の全貌が見える。眼下に見事な絶景が展開されている。
 更に樹林内に設けられた木道を歩いていく。分岐を左へ、五彩池まで登る。今日は曇りであるが、見事な色合いを見せてくれていた。見る角度によって微妙に色合いが違って見える。

 黄龍古寺着15時ちょうど。後2時間しかない。ネットで事前に確認したところ、ここから下まで2時間半はかかるという。少し足を速めることにする。
 
 争艶彩池 ⇒ 明鏡倒映池 ⇒ 金沙舗池 ⇒ 盆景池 ⇒ 飛瀑流輝 ⇒ 迎賓彩池

 絶景をビデオにおさめながら、順調に降りていく。
 
 順調過ぎて、集合時間よりも1時間早く降りてきてしまった。
 売店でお甘い菓子を買って食べ、疲れを癒し、レストランで休憩する。ここでもWi−Fiがつながった。添乗員の高橋さんにアメリカ西海岸の時の添乗員である寺田さん (関西所属の添乗員)の写真を見せると大先輩ですとのことであった。

 年に7〜8回、海外旅行しているという一人旅の女性と談笑する。ツアーは一人だと割増料金を取られて大変だろうが、相当に金銭的な余裕がある方であろう。昔は日本アルプスにも登っていたとのこと。

 ツアーメンバーの中には、日本百名山全て登ったという女性もおられた。また秋に行く予定のフランスには既に3回も行ったという方もおられた。世の中には色々な方がおられるものである。

 集合時間になってもメンバーがそろわない。25分遅れて、17時40分にやっと出発する。
 バスはかなり飛ばし、途中で1回トイレ休憩し、21時前にやっとホテル(茂県)に着いた。少し遅めの夕食を済ませて部屋へ。
 明日はもう成都に戻る。 
  
 

《 平成26月7月22日(火) 〜23日(水)・5日目〜6日目 》 

 6時に起き、朝食を済ませて7時50分出発、 成都へ向かう。成都は四川省の省都で、人口1千万人を超え、パンダのふるさと、チベットへの窓口の都市である。米紙フォーブス紙(2011年)で、今後10年で世界で最も発展する都市のナンバー1に選ばれている。
 三国志ゆかりの地で、峻嶮な山を背景に、英雄豪傑達が戦った「蜀」の地である。最近の映画では「赤壁の戦い(208年)」があり、孔明の知略によって3倍以上の規模を誇る曹操軍を劉備連合軍が滅ぼした戦であった。この後、三国志の時代が280年まで続く。

 11時にラテックス寝具店に立ち寄る。ここでも関心なし。京都の母娘で参加のお母さんはふとんセットを購入されていた。 お母さんは若く、娘さんとは友達みたいに見えた。
 11時50分に出発し、レストランへ。そろそろ四川料理も食傷気味である。 郷土料理と言うのはいいが、あまり四川料理ばかりでは飽きる。たまには飲茶の昼食もいいのではとふと思う。帰りのアンケート用紙にこの旨を書いておこう。

 13時出発、13時30分にパンダ繁育研究基地へ。
 むし暑い! 30℃は優に超しているようだ。これではパンダも大変であろう。(皆、冷房の入った小屋でお休み中であった。)

 15時出発、15時50分錦里へ。ここで1時間ほどのフリータイムとなる。
 ブラブラしていると瓢箪ばかりの店があった。色々と見ていたが、店員さんは座ったままで全く売る気がない模様。よって見るだけにする。素の小型千成瓢箪が10元(170円)で売っていた。
 色を塗った後で、彫刻刀で字を削ったものがあり、女房が帰ってからやってみようかなと言っていた。

 ここでも暑いので、スターバックスに入って休むことにする。店内は満員で立ちそうな人もいないので、裏庭の奥のテーブルの前に座り込む。陽が当たらないだけで何とかしのげるようだ。アイスは氷が心配なのでホットコーヒーにしたが暑い!  京都の松原母娘お二人も見えた。集合時間までここでくつろぐ。

 17時に集合しバスへ乗り込み、17時20分に夕食の「陳麻婆豆腐店」へ。この店は1862年創業の老舗であり、麻婆豆腐の本家本元である。さすがに料理も美味しかった が、超辛めの麻婆豆腐は皆ほどほどの量しか食べていなかった。

 18時20分バスに乗り込み、45分にホテルへ。

 19時30分にロビーに集合し、これから「川劇観賞」へ。10名の参加であった。
 かってはビデオ撮影はよかったが、今年から厳しくなったとのこと。その代わりにDVDが販売されているという。20時20分から演劇開始、三国志 (劉備、関羽、張飛が登場)を舞台とした踊りから、華麗な踊りあり、ドタバタ喜劇ありと展開し、最後になってやっと隈取りが目まぐるしく変わる「変臉(へんれん)」となった。相変わらず、瞬間的にマスクが変わるのは見事で見応え十分であった。
 瞬間的にマスクが下に引っ張られているように見える場面がいくつかあった。また変わる時は、右手が衣の下に隠れ、後ろに手が回って何かを引っ張っているのまでは 確認できた。
 あまり詮索はしない方がいいようだが、購入したDVDを帰ってスロー再生してみようかと思っている。

 1時間で劇は終わり、21時45分にホテルに戻って来た。

 5時起床、朝食を済ませて7時15分出発、空港へ。7時50分空港着。
 現地ガイドの鄭さんと分かれの挨拶をし、9時ちょうど発で上海へ、朝早いと定刻に出発するようである。

 11時40分上海空港着、出国審査を済ませ、国際線搭乗口へ。チェックインを済ませて、関西組と別れの挨拶をする。「また、どこかの旅で会いましょう!」と言うと、「カリブ海で!」、「10年後のスペインで!」と声が返ってきた。共に小生が行く話をしていたからである。

 定刻より遅れて搭乗したものの、搭乗してからもなかなか出発しない。1時間ほど待ってやっと滑走路に出てまたここで待機する。外を見ると、当機の後ろにも7機ほどが駐機していた。 

 定刻に飛んでいると、もう福岡に着いた頃かなという時間になってやっと出発、18時半に福岡空港に着いた。入国審査を受けて、荷物を受け取り、坂口家と別れの挨拶をし、シャトルバスで国内線ターミナルに向かい、そこから地下鉄バスを乗り継いで、20時前に無事帰宅した。

 今回は思い付きのちょい旅であったが、期待通りの感動の絶景に会え、また楽しいメンバーにも恵まれて、最高に思い出深い旅になった。

 さあ、これからホームページの更新、写真の整理、ビデオ編集にとまた超多忙になる。

 留守中に、新たに巨大な瓢箪が5個(左の3個の写真:長さは30センチを超えている!)ほど増えていた。  
 (右の5個の写真は普通サイズの千成瓢箪!)