〜〜〜  香 港 旅 行  〜〜〜 

《 平成12年11月18日 : 3日目 》 

 

 相変わらず6時に目が覚めた。早速着替えて海岸に出る。今日は朝食は「かゆ」で、専門店に食べにいくことになっている。従って出発が7時10分と早いので、散歩を早々に切り上げて部屋に戻る。

 しかしながら出発の時間になってもバスが来ない。途中で大きな交通事故があり警官がなくなったそうだ。(翌日の朝刊に大きく写真付きの記事がトップで出ていた。)そのため道が規制されまったく進めなかったとか。10分遅れの7時20分出発、各ホテルをまわり香港島にわたり、8時25分に淺水灣へ着いた。

 
ここは映画「慕情」の舞台になったところで 、かの有名なリパルス・ベイである。かゆ朝食を食べるがここでも味に抵抗は全くない。その後海岸公園をブラブラする。
 海岸の周囲の小高い丘に高級住宅があったが、有名な俳優とかが住んでいるそうで、アグネスチャンの家もここにあるそうだ。

 9時35分のここを出発して、再びアバディーンへ。9時50分着、香港の狭さを感じさせられる。
 ここで水上遊覧に出かける。10人乗りくらいの船で一人50弗の支払い、水上レストランジャンボの前を通り、水上生活者の船の周りをぐるぐるまわる。
 船の上にも犬がいたり、植木鉢が置いてあったりと普通の生活と何ら変わりなく日常の生活が送られている様子が伺える。

 そういえば、もともと水上レストランもこの水上生活者のためのものであったものが、いつの間にか観光名物になり発展してきたもので、ジャンボもその流れを汲む物であるとのこと。しかしながら水上生活者の船もさることながら、海から見上げるビル群も迫力がありなかなか楽しめた。

 船から上がり、バスに乗り込み10時20分発、九龍の漢方薬の専門店に案内される。もう何度か行き来しているが、このように、香港島と九龍の間は何の抵抗もなく普通の陸続きのように行き来がなされている。10時50分着長寿園という店で、いかにも中国人といった男性が漢方薬の効能をよどみなく説明する。長寿液が滋養強壮に効くとかで3杯まで飲んでも問題ないということで杯がまわってきたので、3杯飲んだところその後しばらく身体がカッカしていた。確かに効くようだが、5 合瓶くらいのサイズで2万円とのこと。最近あまり元気がないOさんのおみやげにと思ったが、高かったので止めた。Oさんには申し訳ないが、逆にあまりに元気が出すぎて奥さんから恨まれたりしたら困るのでちょうどよかったか。その後近くのアウトレット店街に行く。本屋に入り夜景の写真集がないか探したが適当なものがなく、地元の地図のみを買って出てきた。

 12時25分発、上海料理の店へ移動。「大上海」という店で、Kさんは相変わらずビールを頼むもののKさん以外は誰も頼まない。これからオプションに行く人は新センへの国境を越える旅になるがそれに行かない人はフリーになる。そのためこれからブラブラ香港の街歩きをするため自分はビールは控えたものであるが、Nさん、Fさんも何故か控えていて、一人一番年長のKさんのみが元気がいい。

 13時30分に店を出て、ペニンシュラホテルに行く。ここでフリーの人のみがバスを降りるが、降りたのは6人組のYさん一家と、神戸から来たMさん姉妹と、我々3人家族のみ、皆に 別れを告げてバスを降りる。

 これからは全くの自由になる。当初は夕食もセットされていたが、これによって時間が拘束されることになるのでこれも断った。
 
シャトルバスがあると聞いていたが乗り場が分からず、乗り合いバスで帰ることとし、その帰りのバスの時間を確認するもよくわからないまま、何とかなるだろうとまずは地下鉄で尖沙咀から中環に移動し、ここでショッピングを楽しみたいという女房・娘とも別れて全くの一人になった。 時間は14時半。まずは、地下鉄中環駅から天后駅に向かう。地下鉄の乗り方だが、まず自動券売機で行き先の駅の表示部分を指で押せば料金が示されるので、この料金を入れると磁気カードが出てくる仕掛けである。

 この磁気カードは何度も使用されるもので、損傷すると罰金をとられるので注意を要す。
 ちなみに、尖沙咀〜中環は2駅しかないが料金は9弗、中環駅から天后駅までは4つの駅があるのに5弗となっているが、これは尖沙咀〜中環の間にはトンネルがある というのが理由らしい。なお、この磁気カードは発行時刻から90分以内に目的地に着かなければカードは無効
になる。
 
14時40分に天后駅に着いたもののトイレがない。駅を出てしまったため再び駅に戻るもやはりトイレがない。あわてて駅の周辺を探し回るもホテルや大きな店もない。どこかにあるだろうと思いながら、ブラブラ余裕のあるような歩きぶりをしながら、かつ、注意深く歩いていると小さな店の2階に男と女の例のトイレのマークみたいなものがあった。早速駆け上がりやっとトイレにありつけた次第。

 
 15時
にタクシーに乗り込む。乗るときには「タイガー・バーム・ガーデン !OK?」(この!や?が大事)と言ったものの全く通じないので、しかたなく紙に「胡文虎花園」と書いて見せるとやっと「OK」といって走り出した。

 最初のメーターは15弗との表示。この花園は丘の中腹にあるため、変な方向に走り出すとすぐわかるので(本当にわかるかどうか不明)じっと外をにらみつけていたところちゃんと丘を登っていったので安心して乗っておく。
 
運チャンはしきりに無線で何か話している。「訳わからん人間を乗せて今走っている。」とか何とか言っているのか。しかしながらよくしゃべる。5分程で着いた。
 
 メーターは15弗のままだった。運チャンが「ここだ」とか何とか言った
ので「センキュー」といって20弗を渡し、おつりの5弗を返してきたので「チップ」といって渡したら「ありがと」と日本語でお礼を言われた??? 普通はタクシーのチップは端数をわたせばいい程度で、例えば16.5弗なら17弗でいいということだが、何しろ言葉もわからないタクシーに一人で生まれて初めて乗って無事目的地についたことが嬉しくついチップをはずんでしまったのだが、今考えると、少しは日本語がしゃべれる運ちゃんだったのか、それとも日本人がいつもチップをはずむのでいつの間にか「ありがと」というお礼の言葉だけを覚えたのか。まあ、どうでもいいことだが・・・。
 この「胡文虎花園」は、かの有名な「タイガーバーム(万金油)」で大儲けをした胡文虎氏が1935年に建てた別荘付き公園で、サイケ趣味たっぷりのつくりになっている。

 そういえば、前に立ち寄った本屋にこの花園を紹介した分厚い写真集があった。今では胡文虎氏は香港から出ていっているとのこと、今はどこがこの公園を管理しているのか。入園は無料である。50分程ぶらぶらし、再びタクシーに乗って天后駅に戻りこれからビクトリア・ピークに向かう。

 
 地下鉄天后駅発16時10分、金鐘駅着18分、天后駅から一緒に乗り込んできた女性2人組は一人の女性が乗ってから金鐘駅で降りるまで一方的にしゃべりまくっていた。先程の運ちゃんといい、香港人は全般的におしゃべりが好きなようだ。
 

 金鐘駅で降りて、ここから歩いてピークトラム山麓駅に向かう。時間があれば中環まで戻り、スターフェリー乗り場から山麓駅まで無料のシャトルバス(2階建てのオープンバス)が出ているのでこれに乗りたかったが、20分おきということと、土曜日なので乗客が並んでいると大変との二つの理由から最も時間が早い金鐘駅で降りて歩いて山麓駅に向かう道を選んだ。更に早いのはバスかもしれないが、林立するビル街を歩く魅力もある。

 香港公園を左に、高いビルを写真に撮りながら歩いていると記憶にあるノッポビルが目につき、これが本で見ていた山麓駅のあるビルであった。10分も歩いていない感じであったが、時間は16時30分になっていた。
 
ここからピークトラムに乗る。「RETURN ADULT」(要するに大人往復ということ)で30弗だった。所要時間は約8分。車内は欧米人もかなり目に付く。さすがの国際都市と改めて感心する。ピークトラムがかなりの勾配で登るので、足下に置いておいたカメラバッグが後ろの席にずれた。これを拾ってくれた後ろの欧米人から「ペラペラ」と話かけられ、後ろを振り返るとカメラバッグを手に持っていたので、「Oh my bug , thank you 」と言って受け取った。外はまだ明るかった???

 
山頂でしばらく下界を眺める、とってもビルの屋上がすぐ目の前にあるような感じでこの立体感には驚かされる。これに比べると福岡の街はなんと平坦なことか。

 香港の夕景から夜景に移るまでの景色を楽しみながら、写真をとる予定であったが、まだ
夜景には時間が早いコーヒーでも飲みながらしばらく休憩することし、喫茶店を探していたら、蝋人形館があった。 

 入場料は50弗だったか、写真は撮ってもいいのかと聞くといいとのことであったのでここに入る。入り口には「MADAME TUSSAUD'S(倫敦杜莎夫人蝋像館)」と書いてあった。

 ここには、世界の有名人の蝋人形が多数展示されているが、よく出来たものが多く、ばったり出会うと本物と見間違うようなものが多い。本当によく出来ている。日本人はというと政治の分野では「吉田茂」、スポーツの分野では「千代の富士」があった。

 

 時計を見ると既に18時10分前になっていた。あわててここを出て夜景写真の準備にとりかかる。
 帰りの時間を40分とみて18時20分までねばり、夜景を堪能しながら、色々と角度や時間を変えて写真を撮りピークトラムの乗り場に急ぐと既に長蛇の列であった。何故にこんなに多い?

 
ピークトラムは片道で8分程度であるが、1台しかないので1回乗り損なうと1往復で乗り換えも入れて20分くらいは待たなければならない。やっと乗れたのが18時45分、地下鉄金鐘駅に駆けつけ、すぐに乗り込み尖沙咀まで1駅、駅に着いたのが19時10分。急ぎ足で待ち合わせ場所である「KOWLLON  HOTEL」に着いたのが20分少し前であった。既に約束の時間を20分近くオーバーしていた。

 

 待ち合わせ場所にはYが一人でいた。女房殿は心配して別のホテルに探しにいったとか。3人が落ち合って食事の場所を探しに出る。まず第1候補は上海蟹を食べさせてくれるところ。ぶらぶらしていると、上海料理屋の看板があった。店の前にメニューが置いてあったがそれを見ると、日本語の表記もあり、「上海蟹づくし」で388弗とあった。よしこれに決定として地下の店に降りたところ満員で20分程待たなければならなかったが、名前を登録して待つことにした。後で本で調べると 、この店は上海料理の店の紹介の中で2番目にのっている店で、名前を「滬江大飯店」という。20時10分に席に着いた。

 「上海蟹づくし」コースを3人分頼む。この店は日本円での支払いもOKとのこと。まずはビールで乾杯するも、香港に来て今日のビールが一番おいしい。やはり歩き回って汗をかいたせいか、それともフリーの時間を満喫できたせいか。

 コースは、@蟹肉とフカヒレのスープ(フカヒレもタップリ入っていた)、A蟹肉と豆苗の炒めもの、B蟹ミソ入り小龍包、C上海蟹の姿蒸し(1匹222g以上)、Dマンゴプリン、Eジンジャーティとなっていたが、大満足であった。

 蟹が出た後で、茶色の液体にレモンを浮かべたボールが出てきた。一見ウーロン茶にレモンを浮かべた感じで、これでは間違って飲む人がいるかもしれない。これで手を洗うと疲れまで洗い流される気がした。

 

 店を出て、バス停に向かう途中に「優の良品」の店があったのでここでおみやげを買う。バス停に行くと大勢の人が並んでいて、そこに来たバスが目指すバスであった。グッドタイミングでバスが来たためすぐに乗り込む。
 12弗という表示が見えたので、指を3本出して3人分との意志を示してまとめて36弗を料金箱に入れたが、よく見ると12弗ではなく13弗と表示されていた。しかしながら、流れにまかせてそのまま3人とも乗り込んでいった。何事も流れが大事である。

 座っていると真ん中で消えていく人の群がいる。よく見ると階段があり、皆階段を上がっていっていた。要するにこのバスも2階バスであった。すぐに2階席へ移動する。空席は3席しかなかったが空いている席に座る。やはり2階は見晴らしが違う。目の前のネオンあざやかな看板がすぐ頭の上を通り過ぎていく。2階バスならではの迫力と風情である。

 
見慣れた夜景を見ながらバスはひたすら西へと走る。

 やがて屯門広場に着いた。ここで降りすぐにタクシーを拾う。「ゴールド・コースト・ホテル」と言ったが通じないので、「GOLD COST HOTEL!」と言い直したが、まだ通じない。結局ホテルのカードを見せて発車となった。
 屯門の街も大きい。高層ビルが林立しネオンも鮮やかである。香港に着いた初日の深夜にこの辺りを走っていたのがなつかしく思い出されるものの、遠い昔のようでもある。

 ホテルまで10分もかからず着いた。料金は30弗。ホテル着10時55分。今日はツアーの中でそれぞれが最も思いで深い一日となった。