《 平成23年12月20日(火)・3日目 》 


 今日も天気はよさそうである。
 ホテルレストランで、同じH社のツアーメンバーに出会う。1組は名古屋からで、他の1組は東京からだという。コースはハノイからの逆コース組である。同じ旅行社というだけでなんとなく親しみがわく。

 8時にホテルを出発する。
 一旦バスを降りて、顔写真付きの3日間有効パスを発行してもらい、そこから更にバスに乗って遺跡の近くに向かう。小型車に分乗して更に遺跡の中に入っていく。

 アンコール王朝は日本の平安から室町時代にあたる9世紀から15世紀にかけて君臨していた。この偉大な遺跡群は樹海に埋もれていたものを19世紀になってフランス人によって発見されたものである。東京23区に匹敵する広さからまだ新たな遺跡が発掘されているという。この遺跡群の中には神格化された建造物も多く、この王朝がいかに栄えていたかがわかる。ただ建造物にはかなりなばらつきがあることから、連綿とした王朝ではな く、かなりな権力闘争があったこともうかがい知れる。それでも石造りの建造物群としては世界最大規模のものであろう。その石積みの技術には驚嘆すべきものがあった。

 午前中はアンコール・トムとタ・プロムの観光である。入り口では係員がパスを確認している。女性には「きれい」、男性には「イケメン」とつぶやいていた。
 7世王が築いたアンコール・トム(大きな都城)には南大門から入り、バイヨン寺院まで歩く。第一回廊から第二回廊のレリーフは見事である。第一回廊には当時の戦闘シーンや庶民の暮らしが描かれ、第二回廊には神話や伝説が描かれている。中央本殿の踊り場に出ると、そこには16もの四面菩薩像があり、現地ガイドのPさんが、その中の一つの菩薩の顔を指して、「この顔は日本の「京唄子」さんに似ています」という。言われればたしかに雰囲気が似ているようである。

 その後、パプーオン寺院、像のテラス、ピミアナカス寺院(天上の宮殿)等を見て、勝利の門から出て、また小型車に乗り込み、タ・プロムに向かう。

 タ・プロムは仏教寺院であるが、長きにわたってジャングルの中に放置されていたために、巨大なガジュマルによってからみつかれている。この光景は特に有名である。 真近に見ると、ガジュマルの生命力の旺盛さに驚かされるが、その独特の景観は神秘的でさえある。

 昼食は鍋料理であるが、日本のよせ鍋と一緒で、ポン酢で食べる。雑炊も卵でとじて小葱をトッピングするというもので日本と全く同じであった。食後、ホテルに戻り小休止する。

 14時20分にホテルを出発、いよいよ待望のアンコールワットへ。
 およそ3万人の精鋭職人が30年の歳月をかけて完成したのがこのアンコールワット寺院であり、アンコール建築・芸術の集大成となっている。

 池の左手前が絶好の撮影ポイントになっており、ここでしばし、その景観と撮影を楽しむ
 内部は、中央祠堂の回りに第一回廊から第三回廊まである。が、第三回廊へは階段のこう配が70°もあり、制限がかけられている。ここもレリーフが見応えがあり、光の加減によって見え方も変化する。よくもこれだけのレリーフを完成させたものだと感心させられる。

 アンコールワットを見終えて、プレ・ループへ。ここは夕日の観賞ポイントとして有名であり、登ってみると、既に多くの人が座り込んで席をとっていた。しかしながら雲が多く、夕日は見えそうにない。早めに切り上げて降りていく。

 デラックスバスにて民芸品店へ立ち寄り、アジアンビュッフェの巨大な店で夕食となる。席のすぐ横に舞台があり、ここで8時からショーが始まった。ショーを見ながらのワインがおいしい。カンボジア独特の踊りで、見応えも十分であった。

 ホテルに戻り、明日にそなえて早く休む。明日は早朝から朝日の観賞にでかけるため、5時起きとなる。

   ※ ホテル : シェムリアップ ・ 連泊